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ヴァル研究所、バスの現在地を高精度に配信する「SkyBrain」を提供開始

2017年05月10日

乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を提供する株式会社ヴァル研究所は4月26日、バス事業者向けにバスロケーション(以下、バスロケ)サービス「SkyBrain(スカイブレイン)」の提供を開始しました。
バスロケとは、GPSや無線通信を活用してバスの位置情報を収集し、バス停の表示板やパソコン、スマートフォンなどに情報を配信するサービス/システムで、交通渋滞などで到着時刻が遅れた場合でも、利用者やバス事業者は、バスの現在地や到着予定時刻をリアルタイムに把握できます。

車載端末にSIMフリースマホを使用

バスロケシステム/サービスで使用する車載端末には、多くの場合、衛星測位機能を搭載した専用デバイスが使われますが、最近では専用端末ではなくスマートフォンを活用するケースが増えてきました。SkyBrainも車載端末に汎用のSIMフリースマートフォンを使用しており、株式会社ソラコムが提供する「SORACOM Air」のSIMを組み合わせることで、低コストを実現しました。スマートフォンの推奨機種はGoogleのNexus 5X(みちびき非対応)で、今後は他の機種についても動作検証を重ねて対応機種を拡大する予定です。

また、バスに搭載したスマートフォンから発信する位置情報はクラウドに集積されるため、インターネットを介してその情報をさまざまな形で活用できます。既存のバスロケシステム/バスロケサービスとも連携させることができ、既存システム/サービスにSkyBrainの機能をアドオン(add-on)させることも可能です。

SkyBrainの仕組み

SkyBrainの仕組み

SkyBrainの特徴として、バス事業者が保有する地図(絵地図でも可)や路線図へ、高精度なバスの現在位置をマッピングできる「Illustration Map/Mapマッピング機能」があります。既存のバスロケシステム/サービスでは、マップや路線図上のバスの現在位置の表示がズレたり、バスの到着予定時刻の精度が悪くなったりする場合がありましたが、このSkyBrainは、独自の位置補正技術により高精度なバスの現在地位置の取得・表示を実現し、バスの位置や発着予定時刻のズレを解決しました。

さまざまなデバイスでの情報配信が可能

また、クラウドに集積されたバスの位置や速度、方向などの情報と「Illustration Map/Mapマッピング機能」は、Web API「SkyBrain API」として提供します。このAPI(Application Program Interface)を使うことで、ウェブサイトやスマホアプリ、デジタルサイネージなど、バス利用者に対してさまざまなデバイスでの情報配信が可能となります。さらにiOS/Android上でバスの現在位置を確認できるアプリを標準機能として提供するほか、デジタルサイネージに最適化されたHTMLや画像を配信する仕組みも提供します。

デジタルサイネージの利用例

デジタルサイネージの利用例

デジタルサイネージの利用例

このほか、オプションで乗降客数の集計・表示機能も提供します。バス車内に乗降客数をカウントする機器を設置することで、乗降客数の情報を集計でき、ウェブ上の管理画面で確認したりデータのダウンロードが可能となります。
今後は、バス車内に設置したディスプレイに位置情報と連動した広告を配信する機能や、利用者が使い慣れたアプリや方法でバスの情報にアクセスできるよう、LINE Botなどのチャットボットを提供する予定です。

ローンチパートナーに日の丸自動車興業

なお、ヴァル研究所は今回のサービス提供開始に先立ち、日の丸自動車興業株式会社をローンチパートナーとして、協力してSkyBrainの開発・テストを進めてきました。現在は、日の丸自動車興業が運行する「丸の内シャトル」「メトロリンク日本橋」「メトロリンク日本橋Eライン」などの無料巡回バスのバスロケシステムとして正式に導入されており、iOS/Androidアプリ「無料巡回バス」や周辺施設のデジタルサイネージなどで情報が配信されています。

「無料巡回バス」の画面例

参照サイト

※ヘッダおよび本文画像提供:株式会社ヴァル研究所

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