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ヤマハが衛星測位で無人自律航行できる小型電動観測艇を発表

2016年07月13日

測量用UAV(Unmanned aerial vehicle、 自律型無人飛行機)が普及しつつある背景の1つとして、GNSSや画像認識技術の活用により、精度の高い自律航行が可能となったことが挙げられます。そして、このような衛星測位を活用した無人での自律航行機能は、航空機だけでなく、自動車や船舶にも導入が進みつつあります。

ヤマハ発動機株式会社はこのほど、ダムの堆砂測量などの「深浅測量作業」を支援するための自律型無人小型電動観測艇「BREEZE10(ブリーズ10)」を発表しました。8月中旬から、主に日本国内の測量業者を対象に業務用レンタルを開始します。

自律型無人小型電動観測艇「BREEZE10」

水底の堆砂状況把握が欠かせないダムで活用へ

ダムの底に溜まる堆砂は、適時除去する浚渫(しゅんせつ)作業が必要となります。この際の事前情報として、水底の堆砂状況を把握することは欠かせません。

堆砂測量の多くは、汎用小型艇にソナー(SONAR=Sound navigation and ranging、音波で水中や海底の物体を探索する装置)を搭載して、ダムの水面を有人で航行して行いますが、航行ルートの精度や、測量機器の搭載・調整に時間がかかります。また、これらの測量作業は降雨量の少ない冬場に行われることが多く、気温が下がる山間部のダムでは作業者の負担となります。

「BREEZE10」は、こうした課題を解決するために企画・開発されたもので、短時間の測量機器搭載を実現すると共に、プログラム自動航行により作業の効率化と省力化を実現しました。

衛星測位の位置データで、無人での自律航行が可能

浅瀬でも航行可能な船底

全長約3mの電動FRP(=Fiber-Reinforced Plastics、ガラス繊維強化プラスチック)艇で、国内のダム堆砂量の測量作業で普及しているナローマルチビームソナー(Narrow Multi-beam Sonar、一度に広範囲を測量でき、ビーム幅を狭めれば高精度測量も可能)などの測量機器を容易に搭載できます。

ソナーは米国R2SONIC社製「Sonic2024」に対応し、専用マウントで艇中央の設置スペースに短時間で装着できます。また、ヤマハ製の電動マリンモーターを搭載した専用艇体により、浅い場所での運用も可能です。

これに衛星測位による位置データと方位角データを使用することで、無人での自律航行が可能となり、ソナーなどによる水底状況調査の効率化・省力化を支援できます。

産業用無人ヘリと連携し、将来は周辺地形の測量も

全長3.2m×全幅1.2mで、ワンボックスカーで運搬できるサイズです。搭載モーターは定格出力が0.5kWなので、操縦に小型船舶免許は不要。測量場所の環境に応じて「プログラム自動航行モード」「コントローラー操作による遠隔操縦モード」「乗船ジョイスティック操縦モード」の3種類の運転モードを選択できます。リチウムイオン電池と小型発電機を搭載しており、連続6時間の長時間運行ができ、航行ルートを保存できるので再測定の際も同一航行ルートで測量を行えます。

また、ヤマハ製の産業用無人ヘリコプターとの連携による周辺地形の総合的測量への発展性もあります。将来的には「測量」分野だけでなく、「監視」「警備」などの支援業務への拡大も視野に入れているとのことです。

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※ヘッダの画像はイメージです。本文画像提供:ヤマハ発動機株式会社