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鳥取市の「1000円タクシー」が位置情報で翻訳精度上げる社会実証

2015年11月27日

鳥取市を訪れる訪日外国人向けの周遊観光タクシーは、2011年1月より市の補助により周遊3時間で1人1,000円(1台4人まで)という魅力的な料金設定の「1000円タクシー」として人気を集めています。しかし、関係者はタクシーを利用する外国人観光客に魅力を伝えきれていないのではないかと感じていたそうです。それは言葉の壁が原因となるコミュニケーションの問題によるものでした。そこで11月18日より、この「1000円タクシー」で、KDDI株式会社と株式会社KDDI研究所による多言語音声翻訳システムを活用した社会実証が実施されることになりました。

外国人観光客周遊タクシーの告知チラシ

(鳥取市公式ウェブサイトより)

位置情報を翻訳精度の向上に役立てる

「1000円タクシー」に搭載される多言語音声翻訳システムは、スマートフォンを利用するため端末の位置情報が取得可能で、翻訳の対象となる会話が「どこの場所で行われている会話であるか」を、翻訳の精度向上に役立てる工夫がなされています。これにより、従来から課題となっていた外国人観光客とタクシー運転手のコミュニケーション向上を目指します。

「多言語音声翻訳システム」の提供イメージ図

「多言語音声翻訳システム」提供イメージ(画像提供:KDDI株式会社、株式会社KDDI研究所)

具体的には、ドライバーと観光客の間を、LTE(Long Term Evolution、第3世代=3G携帯電話のデータ通信を高速化した規格)回線で接続された多言語翻訳プラットフォームが仲立ちするシステムで、ハンドルを握るのは、「鳥取観光マイスター」として認定されたタクシー運転手。地元の観光情報に非常に詳しい人たちです。彼らと観光客のコミュニケーションの向上は「満足度や安心感の向上、旅行者数増加やリピート率の上昇、観光等による地域経済への波及に寄与する」としています。

多言語音声翻訳システムで言葉の壁の解決へ

KDDI研究所は、位置情報や利用者のスマートフォンなどの情報を活用した「翻訳精度向上技術」の研究開発に取り組みます。同音異義語や発音の似た言葉は機械翻訳の弱点でしたが、位置情報を活用することで、たとえば地名であれば、現在地からより近い場所の優先度を上げることができます。

もちろん地名辞書にも位置情報を加える必要は出てきますが、限られたエリアを周遊し、毎回違うお客が利用する観光タクシーは、フィールドテストとしては格好の場に違いありません。

この多言語音声翻訳システムは、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)が開発した技術を活用してKDDIが構築したもので、英語、中国語、韓国語の翻訳に対応しています。また、この社会実証は、総務省委託研究開発「グローバルコミュニケーション計画の推進 ー 多言語音声翻訳技術の研究開発及び社会実証 ー」の一環として来年3月末まで実施されます。

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