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車両情報と位置情報でリアルタイムに社用車を管理する「ProPosition」

2016年03月23日

マイクロテクノロジー株式会社は、最近の車両に標準で搭載されているOBD II アダプターに、通信機能とGPS機能が内蔵された端末を接続し、車両の位置情報と運転状況をリアルタイムに把握できる「ProPosition」システムとして顧客に提供しています。

車両情報を取り出す「OBD II」を利用

「OBD II」(OBD=On-board diagnostics、自己故障診断)は、自動車に搭載されたコンピューター(ECU=Engine Control Unit)が記録している車両の情報を取り出す機能です。記録されている情報は、排気ガスの量、車速、ブレーキやハンドルの状態、エンジンの回転数、燃料の残量など多岐にわたります。もともとは車両の故障診断用に実装された機能で、OBD II アダプターに専用機器を接続して、自動車の故障内容解析などに活用されていましたが、最近は運転時の車の状態をモニターしたり、ドライブレコーダーと連動して自動車の状況を記録したりと、さまざまな用途に活用されています。

「Proposition」端末

「Proposition」端末

「Proposition」の設置例

設置例

「ProPosition」システムでは、ODB IIで取り出せる車両の情報と、GPSで取得した位置情報、加速度センサーより検知した運転状況の3つを組み合わせ、携帯電話回線を利用したモバイルデータ通信でサーバー上に記録します。管理者はダッシュボード(dashboard、一覧画面)からサーバーにアクセスすることで、車両の位置とその時の状況をリアルタイムで把握できます。

「Proposition」システムの概要

このシステム、導入がOBD IIに端末を接続するだけと簡易で費用も安いことが評価され、サービス開始から1年半で20社(管理車両数:約5,000台)に導入されています。

車両情報と位置情報をリアルタイムに共有

位置モニタリング画面

荷物の配送やセールス担当者の移動に社用車を活用している企業にとって、その所在や運転状況の適切な管理は重要な課題です。従来はドライバーが記入する乗車日報をベースに行われていた社用車の管理は、ドライバーにとっては記入が煩雑であり、管理者にとっては1日単位での走行距離や運転者の自己申告による大まかな行き先しか把握できないという問題がありました。

「ProPosition」システムを使えば、複数の登録車両の「現在位置」情報を常時リアルタイムで地図上に分かりやすく表示できるだけでなく、任意の期間を指定して、各車両の走行ルートや車両の状況を確認できます。また、事故の発生や危険運転の検知、指定エリアへの出入りがあった場合には、管理者のダッシュボードと運転者に同時に警告を表示したり、メールで通知したりもできます。

車両ごとに走行状況を時系列で把握できる

複数の車両ごとの運転状況も記録でき、ドライバーのスマートフォンやタブレットなどの端末と車両情報を共有できるので、急発進、急ハンドル、急ブレーキなどの危険運転を記録してドライバーを指導することもできます。他にも、燃費と運転状況と走行経路を分析して、燃費よく運転できる経路や目的地まで早く着ける経路を探したり、危険運転が発生する頻度が高い場所を特定し注意を促すなど、さまざまな使い方が考えられます。

<事例紹介:パラカ株式会社>

駐車場管理事業者のパラカ株式会社では、紙ベースの乗車日報を廃止して「Proposition」システムを導入しました。その結果、1)走行履歴はダッシュボードでいつでも表示でき、日報や月報はそこから容易に作成できます。2)各営業所では、車両管理担当者が常時、地図上で全車両の位置情報をモニターしています。3)危険運転の記録をポイント化して社内でそのランキングを公表しています。これが抑止力となってドライバーが自分の運転をチェックする習慣づけができ、安全運転を促す一助となりました。万一の事故の際にも、収集されている運行データが検証素材として利用できると期待を寄せています。

みちびきへの対応も前向きに検討したい

マイクロテクノロジー社では、「現行のテレマティクスサービスにおいても位置情報の精度向上はご要望が多い」ので、みちびきへの対応も前向きに検討してゆきたいとのこと。「Proposition」システムは、一般車両のみでなく24V系大型車、重機、コンテナ、船舶等への展開が可能な多様な端末バリエーションが用意されており、今後は、さまざまな用途の車両を始めとする移動体向けにサービスを展開する予定です。

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