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JR東日本がGPSを活用した列車接近警報装置を開発導入

2015年09月15日

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は9月2日、地上作業員の安全性を高める目的で開発に取り組んできた「GPSを活用した列車接近警報装置」の整備を今年度から始め、2017年度までに25線区に整備すると発表しました。

従来は「TC型無線式列車接近警報装置」のみで対応

鉄道工事など線路内で作業する場合は、通常は信号を赤にして、列車との衝撃事故を避けるための線路閉鎖を行います。しかし、調査等の簡易な作業では、線路を閉鎖せず、列車の接近時には列車見張り員の合図により作業員が退避する形になります。

そのためJR東日本は、列車の接近を警報音で伝える「TC型無線式列車接近警報装置」(以下、TC列警)を開発し、見張り員又は作業員がその受信機を携帯することで安全性を確保してきました。

ただ、このTC列警は、列車の存在を電気的に検知する「軌道回路」の情報を、沿線の電話機回線やアンテナからの電波を経由して送信する仕組みで、そもそも軌道回路が設置されてない区間には導入できませんでした。TC列警が地上作業員の安全性向上に大きく寄与していることに加え、軌道回路のない線区にも列車接近警報装置を導入してほしいという現場からの要望もあり、軌道回路のない線区に向けた列車接近警報装置の開発に着手しました。

GPS位置情報と、運行管理装置の情報を照合する仕組み

「GPSを活用した列車接近警報装置の概要」図版

JR東日本が新たに開発した「GPSを活用した列車接近警報装置」は、列車に搭載したGPS車載装置/専用サーバー/地上作業員が持つ作業員用端末、の3つで構成されており、GPS車載装置で測位した列車の位置情報をもとに列車の接近や距離を作業員に知らせる仕組みです。

GPS車載装置で測位した情報と、従来の運行管理装置による列車情報を専用サーバーで照合し、作業員用端末と列車位置の距離を算出して所定の距離で警報を鳴らします。作業員用端末画面では、地上作業員と列車位置との距離が3,000m以内に接近した段階で「接近注意報」として黄色で表示し、1,500m以内に接近した場合には「接近警報」として赤色で表示します。

GPSの位置情報に加えて、従来の運行管理装置による情報を照合することで、GPS測位異常時には作業員用端末に異常を知らせる仕組みを実現し、信頼性を高めています。

「GPSを活用した列車接近警報装置を導入する線区」図版

今年度はこれまで現地試験を行ってきた八高線と飯山線にまず導入し、2017年度までに地方交通線の25線区(約1,500km)に整備する予定です。導入費用は約20億円、維持管理費として年間約2.5億円を見込んでいます。

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※ヘッダの画像はイメージです。本文中の画像は、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)提供。