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ジェネクスト、みちびき対応の交通安全分析サービスを提供開始

2018年05月21日

みちびきのサブメータ級測位補強サービスに対応したGNSS機器で取得した位置情報をもとに、ドライバーの道路交通法違反を可視化するサービスが登場しました。提供しているのは横浜市を拠点とするベンチャー企業のジェネクスト株式会社です。

みちびき対応のGNSS/3Gトラッカーを独自開発

ドライバーの交通違反を可視化するサービス

ドライバーの交通違反を可視化するサービス

同社はこれまで、ドライブレコーダーを業務用車両に搭載し、ドライバーの道路交通法違反を可視化するサービスを提供してきました。ドライブレコーダーにはGPSを搭載しており、衛星測位によって取得した車両の位置情報や速度情報を撮影した動画と組み合わせて、運転状況を多角的に分析できます。しかし、ドライブレコーダーで記録した映像を人の手で解析するのは手間とコストがかかり、分析にも時間がかかるのが課題でした。

それを解決するため、同社はみちびきに対応したIoT機器(GNSS/3Gトラッカー)を独自に開発し、この機器を使った新たな道路交通法違反自動判定サービスの提供を4月から開始しました。この機器は、取得した位置情報を3G回線によってクラウドに送信することで、車両の位置情報をリアルタイムに取得できます。

取得したドライバーの位置情報ログは自動的に分析され、1)制限速度超過、2)右左折禁止、3)一時停止違反、4)踏切不停止、5)進入禁止、の5項目の違反を判定し、リスト化してクライアント企業へ提示します。

ウェブブラウザ上で運行履歴や判定結果を確認可能

ウェブブラウザ上で運行履歴や判定結果を確認可能

サブメータ級測位により位置情報だけで交通違反を可視化

GPSは従来のドライブレコーダーにも搭載されていましたが、新しく開発したGNSS/3Gトラッカーはみちびきのサブメータ級測位補強サービスに対応しており、より精度の高い位置情報を取得できます。そのため、ドライブレコーダーの映像がなくても、位置情報だけでドライバーの道路交通法違反を可視化できるようになりました。

ドライブレコーダーの場合は、映像が記録されたメモリカードを都度、回収する必要があったのに対し、新しい機器では映像データが不要となったため、位置情報のログを3G回線経由でリアルタイムに送信するだけで道路交通法違反の判定を行えます。

みちびきに対応したGNSS/3Gトラッカー

みちびきに対応したGNSS/3Gトラッカー

また、ドライブレコーダーに比べて機器の設置が容易なことも特長の一つです。ジェネクストが依頼した仕様に基づき、GPS機器などの製造メーカーである株式会社フォルテが、シガーソケット給電で誰でも簡単に業務車両に搭載できるGNSS/3Gトラッカーを開発しました。この機器は、シガーソケットにプラグを挿して、車内で衛星電波が入りやすい場所に本体を設置するだけで、すぐに使い始めることができます。

サービス利用者は、ウェブブラウザ上で各車両の運行履歴を確認できます。道路交通法違反が発生した時刻と内容のリストが表示されるほか、地図上で発生場所やストリートビューの画像を確認することもできます。

ドライブレコーダーに比べてコストが大幅に低減

このサービスは、営業車両や配送トラック、タクシーなどさまざまな車両に利用できます。どの場所でどのような違反が発生したのかが具体的に示されるため、ドライバーの法令遵守への意識も高まり、企業のコンプライアンスリスクを軽減できるほか、交通事故削減にもつながり、自動車保険料の削減も期待できます。

ジェネクスト代表取締役の笠原氏

ジェネクスト代表取締役の笠原氏

ジェネクスト代表取締役の笠原一氏は、「みちびき対応のGNSS/3Gトラッカーを新たに導入したことで、ドライブレコーダーを利用した従来のサービスに比べてコストが大幅に下がりました」と語っています。ドライブレコーダーの場合は期間を限定して利用する顧客が多かったのに対して、新端末を利用したサービスは1台当たり月額数千円で利用可能となり、継続的にドライバーの運転状態を可視化できるようになりました。

同社は今後、前述した5項目に加えて、新たに駐停車禁止や転回禁止、車線変更禁止などのエリアにおける違反の検知も追加することを検討しています。また、独自の方法で位置情報を分析し、運転しながらの携帯電話保持を監視する機能を追加することも予定しています。

「Japan IT Week 春」の出展ブース

今月、東京・お台場で開かれた展示会「Japan IT Week 春」にも出展した

(取材/文:片岡義明・フリーランスライター)

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※ヘッダの画像はイメージです。

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