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コロプラとKDDIが共同で位置情報ビッグデータの分析サービス

2015年08月13日

ここ数年、急速に注目され始めた「ビッグデータ」というキーワード。文字どおり"巨大なデータ"を活用して、社会・経済の問題解決や、事業に役立つ何か、業務の付加価値向上などへ役立てます。そのビッグデータの1つである「位置情報」は、事業だけでなく、街づくりや災害対策に至るまで、幅広い活用が期待されている分野です。

今回は、株式会社コロプラとKDDI株式会社が共同で、位置情報ビッグデータの分析レポートを提供している「Location Trends」というサービスをご紹介します。

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メッシュ化した「位置情報」と性別・年齢などの属性から分析

「Location Trends」では、まずKDDIが、auスマートフォンユーザーから同意の上取得し、誰の情報であるかわからない形式へ加工した「位置情報データ」及び「属性情報(性別・年齢層)等のデータ」を用意します。そこから委託を受けたコロプラが、このデータを分析して「位置情報ビッグデータ分析レポート」を作成します。

提供する分析レポートには「観光動態調査」と「商圏分析」の2種類があります。観光動態調査では、来訪した観光客の発地地域(出発場所)、性別・年齢層、宿泊地、観光エリアへの流入経路、利用した交通手段などを把握します。商圏分析レポートは、商圏来訪者の発地地域、性別・年齢層に加えて、滞在時間、来訪頻度、競合店エリア併用率などの動きを分析します。

利用する位置情報は、本人の同意を得た上で、さらに時間的・空間的メッシュ化(時間帯を区切り、位置も地域ごとに集約)を施したデータを扱います。性別・年齢層を含むので「40代男性の域内宿泊が多い」「20代女性の周遊が少ない」のようにターゲットを特定したニーズ・課題を発掘できます。

今年6月、倉敷市に観光・商業動態などの調査レポートを提出

今年6月、コロプラは、「Location Trends」を活用して作成した、岡山県西部を流れる高梁川(たかはしがわ)流域の観光動態、商業動態・診療圏の調査レポートを岡山県倉敷市に提供しました。自治体へ商業動態・診療圏の調査レポートを提供するのは、今回が初めての事例とのことです。

これは、倉敷市内で江戸時代の街並みが残る美観(びかん)地区などの観光地や広域において拠点の役割を果たす主要医療機関、主要商業施設エリア周辺に訪れた人々の移動傾向を、スマートフォンの位置情報ビッグデータを活用して調査・分析したものです。

レポート分析結果から一部抜粋した図版

高梁川流域圏域来訪者(宿泊者)の宿泊地分布(画像提供:株式会社コロプラ)

レポート分析結果から一部抜粋した図版

高梁川流域圏商業施設周辺の来訪者属性比較(性年齢層別)(画像提供:株式会社コロプラ)

調査結果を見ると、たとえば観光動態調査では、倉敷市中心部は周辺地域に対して圧倒的な来訪者数を持ち、送客ポンプの役割を担う一方で、倉敷市中心部を訪れた来訪者の半数以上は日帰りで帰ってしまうことが判明しました。また、宿泊者も近隣の岡山市に宿泊する割合が高いことが数字で裏付けられました。

倉敷市では、今後、高梁川流域 7市3町における経済分野の成長戦略を策定していくため、圏域内の産学官民が一体となった「高梁川流域経済成長戦略会議」を今月中をめどに設立する予定です。

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