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GPSで現在地を示して不便を解消。東京都交通局の「バスロケシステム」

2015年08月14日

外を歩くだけで暑いこの時期、移動には公共交通機関を上手に活用したいもの。しかし、公共バスは「今いる場所の近くをどこに行けるバスが走っているのか分からない」「時刻表があっても道路状況などによって遅れる場合がある」といった理由で、あまり利用機会がない人も多いでしょう。東京都営バス(都バス)を運営する東京都交通局は、位置情報を活用してそんな不便を解決する「バスロケーションシステム」の仕組みをつくり、提供しています。

「バスの接近」をバス停やインターネットでお知らせ

約1,500両ある都バスの各車両にはGPS受信機が装備され、携帯電話回線を利用して位置情報を定期的にセンターに送信しています。東京都交通局では、バスが正常に運行できているかを確認するだけでなく、その位置情報をさまざまな形でバス利用者に提供することで、「バスが今どこにいるのか」を知らせています。

バスロケシステムのイメージ図

バスロケーションシステムの仕組み(イメージ図)

バス停では、路線ごとに3つ手前の停留所に到着した時点から、バスの現在位置を表示します。時刻表でなく「今、バスがいる場所」をリアルタイムに表示するので、バスが来るまでどのくらい待つのかが分かり、「しばらくバスは来ない」と判断した場合は別のバスや鉄道、タクシーなど他の交通手段を利用することもできます。

バス停で表示される車両接近情報の画像

バス停で表示される車両接近情報。最新設備では、バス位置だけでなく到着予定時刻や終点までの予想所要時間が表示されます(墨田区の押上駅前バス停で撮影)

インターネットで提供する「都バス運行情報サービス」では、任意のバス停を指定して、そこに停車するバスの経路別に、現在のバス位置を確認できます。仮に現在地から近いバス停が複数あっても、いちばん早くバスが到着するバス停を選んで利用したり、自宅からバス停までの所要時間とバスの現在位置を予め確認して、なるべく待たずにすむように自宅を出るといった使い方ができます。

ウェブサイトからのキャプチャー画像

車両接近情報の例

※ただし、利用上の注意として、東京都交通局では「到着予測時間や所要時刻については、道路状況の変化により、動的に変化します。ご利用に当たっては、余裕を持った計画をお願いしています」としています。

バス停の検索にも位置情報を活用

「外出先などで最寄りのバス停の名前が分からない」という場合は、地図上でバス停を検索できる「停留所地図検索」を利用して、最寄りの停留所の位置を確認し、そこに停まるバスの運行状況を検索できます。GPS機能付きのスマートフォンや携帯電話であれば、位置情報を利用して「現在地の近く」の地図を自動表示できます。

さらに「都営交通ルート検索」では、目的地の住所や駅名などの情報を入力すれば、都バスや都営地下鉄などを利用した乗り換え経路と所要時間が分かります。現在地からバス停の道順やバス乗り換え時の徒歩移動経路も地図で見ることができ、たいへん便利です。

スマホの「停留所地図検索」画面

「停留所地図検索」をスマートフォンで利用

スマホの「ルート検索結果」画面

「ルート検索結果」の画面例

また、ユニークな機能が「ラッピングバス検索」です、車両の前面にキャラクターなどを描いた「ラッピングバス」が今どこを走っているのか、キャラクター名や広告主名で検索できます。

東京都交通局によれば、利用者からは「おおむね好評をいただいており、設置の要望等も多数寄せられている」とのこと。また、みちびき対応については、「現在のGPSでは誤差が生じやすいので、高層ビル間の道路や高速道路高架下など見通しの悪い場所での精度向上に期待しています」(同)との答えが返ってきました。

将来の機器更新に向け、国土交通省の「高精度測位技術を活用した公共交通システムの高度化に関する技術開発研究会」への参画などを通して情報収集を行っています。8月5日に開催された同研究会の会合では、バスロケーションシステムをターゲットにして精度向上と乗り継ぎの円滑化を目的とした実証実験を実施することも発表され、今後の高度化に期待がかかります。

参照サイト

取材協力・画像提供:東京都交通局