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トプコン、千葉県の水田でIT農業の実証実験を開始

2017年05月25日

株式会社トプコンは5月19日、衛星測位を活用したIT農業システムの稲作での効果を実証するため、千葉県柏市の農場と提携して検証用の圃場(ほじょう)で実験を開始したと発表しました。
衛星測位の活用によって自動化が期待されている分野の一つとして、農業機械が挙げられます。耕うんや田植えや稲刈りを自動化することにより、さまざまな農作業の省力化と省人化を実現できます。このプロジェクトでは、水稲の生産工程である圃場整備から田植え、肥料散布、収穫の工程において、随時、IT農業機器を使用し、その効果を検証していく予定です。

自動操舵システムを用いた農場での実証実験

自動操舵システムを用いた農場での実証実験

田植え機にGPSと電動ハンドルを搭載

今年度はその第一段階として、市販の田植え機にGPS受信機とモーターを内蔵した電動のハンドルを取り付けて、自動操舵による田植えを行いました。

市販の田植え機にGPS受信機とモーター内蔵の電動ハンドルを取り付け

上の画像のように、GPSで受信した位置情報をもとに田植え機が自動的に移動するため、田植え機のハンドル操作が不要となり、走行中でも一人で稲苗の補給が可能になりました。これにより、作業の大幅な効率化を図ることができます。

また、従来の方式では、田植えのガイドとなる目印をつけるために水田の水抜きを行いますが、その作業を複数の水田で同時期に行った場合、濁った水が一気に川に流れ込んで水質汚濁が問題となることがありました。衛星測位を活用した自動操舵システムを導入すれば、目印設定のための水抜き作業が不要となり、作業者の負担が大幅に軽減できるほか、環境改善の効果も期待できます。

目印設定のための水抜き作業が不要

目印設定のための水抜き作業が不要

実証実験中の農場の様子

同社はこれらの実験を通して、稲作へのIT技術導入・普及を促進し、農業の省力化・高品質化の支援を目指す方針です。また、将来的には同じ稲作文化を持つアジアへの事業展開も見据えているとのことです。

※ヘッダの画像は、イメージです。本文画像提供:株式会社トプコン

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