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マゼランシステムズジャパンが、今年もCEATEC JAPANに出展

2016年10月13日

アジア及び日本発のIT技術の国際展示会「CEATEC JAPAN 2016」が今年も10月4~7日の4日間、千葉・幕張メッセで行われました。この「CEATEC JAPAN」では毎年、出展された技術や製品、サービスの中から、イノベーション性が高く優れていると評価されたものを表彰する「CEATEC AWARD」が開催されています。

マゼランシステムズジャパンのブース展示

マゼランシステムズジャパンのブース展示

昨年の「CEATEC AWARD」でソーシャル・イノベーション部門のグランプリを獲得したマゼランシステムズジャパン株式会社が、今年も「CEATEC JAPAN 2016」に出展し、QZSS対応のマルチGNSS受信機を展示しました。

昨年のグランプリ受賞製品を展示

マゼランシステムズジャパン株式会社は、超高感度・高精度衛星システムに関する研究・開発及びライセンシング、GNSS関連アプリケーションに関するソフトウェア・ハードウェア開発などを行っています。昨年の「CEATEC AWARD 2015」では、低コストを実現した「自動運転用高精度衛星測位モジュールとIMU(Inertial Measurement Unit、慣性計測装置)との高度カップリングシステム」を出展し、「ソーシャル・イノベーション部門」のグランプリを受賞しました。

高精度GNSS慣性航法システム(展示品)

IMUを組み合わせた高精度GNSS慣性航法システム(展示ケース越しに撮影)

グランプリを受賞したシステムは、GNSSシステムとIMUを組み合わせた高精度GNSS慣性航法システムで、センチメータ級の精度を持つGNSS RTK(Realtime Kinematic、固定点の補正データを移動局に送信してリアルタイムで高精度に位置を測定する方法)モジュールと低価格MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)センサーを、独自の運動検知・制御アルゴリズムを用いて高度に組み合わせることにより、外乱に強く安定した高精度出力を低コストで実現しました。

トラクターの無人運転を実現

トラクターの無人運転を実現

これにより、産業機器や農業機器、ロボットなどの自動運転において、高精度の位置情報・速度・姿勢情報・時刻情報を提供できます。同社は、ブースにおいて今年もこのシステムのボードを展示すると共に、農業用トラクターに搭載して自動運転を行う様子などをビデオで紹介しました。

今年はみちびき対応のマルチGNSS受信機も展示

さらに今年は、GNSS RTKモジュールだけではなく、次世代製品として、みちびきに対応した「高精度多周波マルチGNSS受信機」のボードも展示しました。これは、GPS(L1・L2・L5)、みちびき(L1・L2・L5・L6)、GLONASS(G1・G2)、Galileo(E1・E5・E6)、BeiDou(B1・B2)、SBAS(L1)と、すべての測位衛星からの信号を受信できるGNSS受信機です。

高精度多周波マルチGNSS受信機(展示品)

高精度多周波マルチGNSS受信機(展示ケース越しに撮影)

みちびきについてはL6信号にも対応しており、単独でセンチメータ級の高精度測位が可能です。みちびきが利用できない海外地域では、高精度多周波マルチGNSS RTK受信機として使用できます。さらに、昨年グランプリを受賞したシステムと同様に、IMUとの高度カップリングシステムを構成することもできます。

マゼランシステムズジャパン株式会社の代表取締役を務める岸本信弘氏は、「CEATEC JAPAN 2016」の展示会場のオープンステージで行った講演の中でこの受信機を紹介し、みちびき対応受信機の最大のメリットは、従来のRTK方式とは異なり、補正データを演算する基地局が一切不要となる点で、これによって基地局と受信機との距離を考える必要がなくなり、どこにいても安定した精度を実現できます」と語りました。

岸本信弘氏

岸本信弘氏

同システムは、すでに評価用ボードが完成しており、現在は内部のアルゴリズムやファームの構築を行っている状況です。来年にはさらに小型化を図り、その先には15mm角くらいの1チップ化を目指しているとのことです。「1チップ化により、コストパフォーマンスや省電力性が圧倒的に向上すると考えています。また、このような技術に興味のある方には、ライセンスベースでも提供していきたいと考えています」と岸本氏は抱負を語りました。

参照サイト

※ヘッダの画像は、「CEATEC JAPAN 2016」公式サイトより

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