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米国が第3世代GPS衛星の打ち上げに成功

2019年02月12日

第3世代GPS衛星として初めての打ち上げが2018年12月、米国フロリダ州のケープカナベラル空軍基地で行われました。スペースX社のファルコン9ロケットにより現地時間12月23日8時51分(日本時間22時51分)に打ち上げられたGPS III SV01は、打ち上げから約2時間後にロケットから分離され、所定の軌道に投入されました。探検家アメリゴ・ヴェスプッチにちなみ「Vespucci」と名付けられた衛星の初期チェックアウト・軌道上試験は、以降6カ月間にわたって行われる予定です。

打ち上げ画像

ファルコン9ロケットによる打ち上げ(画像提供:SpaceX)

開発開始10年で、ようやく打ち上げ

GPS衛星の各世代は、最初がブロックI、次の世代がブロックIIと呼ばれ、世代ごとに改良を加えつつ、徐々に置き換えられてきました。1978~85年に打ち上げられたブロックI(第1世代)に続き、1989年からブロックII(第2世代)の打ち上げが始まりました。第2世代はブロックII、IIA、IIR、IIRM、IIFと続き、2016年2月に最後のIIFの12機目が打ち上げられました。
続く第3世代のブロックIIIは、2008年に開発が始まり、10年の歳月を経てようやく最初の打ち上げとなりました。開発を担当したのは、IIRとIIRMを製造したロッキード・マーチン社で、今回を含めGPS IIIシリーズ10機を製造することが決まっています。

衛星イメージ

ブロックIII衛星(画像提供:Lockheed Martin)

ロッキード・マーチン社によると、ブロックIII衛星は「従来の3倍の測位精度、8倍の耐ジャミング性」を備えた信号を送信し、より長い軌道上寿命を持つよう設計されているとのことです。より大きな出力で測位信号を送信するため、信号がノイズに紛れにくく、受信しやすくなります。測位信号は、第2世代でも送信されていたL1C/A、L2C、L5に加えて、みちびきも送信しているL1Cが第3世代から新たに追加されました。

参照サイト

画像提供:SpaceX, Lockheed Martin

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