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無人航空機が自律的に危険回避する飛行試験を三河湾で実施

2020年01月27日

農業や物流などさまざまな分野でドローンと呼ばれる小型の無人航空機や、それよりもひと回り大きく、より大きなセンサーなどを搭載できる中型の無人航空機の普及が進む中、より幅広い環境で安全な航行を実現するには、これらの無人航空機が地上から支援を受けられない状況でも、緊急事態に対応できる技術が必要です。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、株式会社SUBARU、日本無線株式会社、日本アビオニクス株式会社、三菱電機株式会社、株式会社自律制御システム研究所の6者は昨年12月、こうした事態に対処するため、緊急時でも無人航空機が自律的に危険を回避できる技術を実証する飛行試験を、愛知県の豊川市御津と田原市白浜を結ぶ三河湾海上で行いました。

洋上で飛行実証試験を実施

洋上で飛行実証試験を実施(提供:NEDO)

事前に設定された緊急着陸地点へ自律的に飛行

2019年12月16~24日に離島での無人航空機の運用を想定して実施された飛行試験では、飛行中に故障や燃料残量の減少、悪天候などの事態が発生した場合に、無人航空機が自らの判断で事前にプログラムされた飛行経路から経路変更して、事前に設定された緊急着陸地点まで飛行する機能の実証を行いました。
飛行試験に使用した中型の無人航空機には、みちびきのセンチメータ級測位補強サービスに対応したGNSS受信機を搭載し、故障模擬信号や燃料警告模擬信号、悪天候模擬情報に基づいて自律的に経路を変更し、高精度測位により受信したセンチメータ級の位置情報を用いて飛行できるかを検証しました。

緊急時には自律的に経路を変更

緊急時には自律的に経路を変更(提供:NEDO)

予定飛行経路に沿って、緊急着陸地点としてA、B、Cの3地点を事前に設定しました。実際に飛行試験を行い、緊急事態が発生した場合に無人航空機が自らの判断で、3点から最適な地点と経路を選択し、着陸地点まで飛行することが確認できました。

目視外飛行や第三者上空飛行に向けた取り組み

この飛行試験を行った背景には、操縦者が自分の目で無人航空機や航行の安全性を確認できない「目視外飛行」や、無人航空機の運航に関与しない第三者の上空を飛行する「第三者上空飛行」の実現に向けた取り組みがあります。

無人航空機に緊急事態が発生した場合、一般的には、まずドローン運航管理システムなどを使って、緊急着陸地点やそこまでの経路情報を地上から指示します。しかし、離島間の物流において長距離洋上飛行を行う場合などは、地上と無人航空機の通信インフラの整備が不十分で、緊急時の回避経路の指示を行えない状況も発生します。こうした時は、無人航空機がさまざまな緊急事態へ自律的に対応できる「自律的ダイナミック・リルーティング技術」が必要不可欠で、その実用化が求められています。

これは長距離の物流やインフラ点検には必須の技術ですが、実現には操縦者の目視に代わる安全措置の実施や、衝突回避技術の実装など、高い安全性や信頼性を確立する技術が必要となり、そのために欠かせないのがみちびきを利用した高精度の測位情報です。今回の実証は、そうした観点からの安全な無人航空機運用の実現を目指して実施されました。

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