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KDDI、プロドローン、ゼンリンの3社が専用基盤「スマートドローン」で業務提携

2016年12月22日

KDDI株式会社と株式会社プロドローン、株式会社ゼンリンの3社はこのほど、モバイル通信ネットワークを活用したドローン専用基盤「スマートドローンプラットフォーム」の商用化に向け、業務提携を行うと発表しました。
衛星測位システムを始め、さまざまなハイテク技術を駆使することで安定した飛行を実現しているドローン。今回の提携は、ドローンをさらに進化させ、次世代に向けて、より幅広い用途に使うための取り組みと言えるものです。

左からプロドローンの河野雅一氏(代表取締役社長)、KDDIの山本泰英氏(執行役員常務/商品・CS統括本部長)、ゼンリンの藤沢秀幸氏(上席執行役員/第二事業本部長)

左からプロドローンの河野雅一氏(代表取締役社長)、KDDIの山本泰英氏(執行役員常務/商品・CS統括本部長)、ゼンリンの藤沢秀幸氏(上席執行役員/第二事業本部長)

新たなプラットフォーム「スマートドローン」

「スマートドローンプラットフォーム」は、ドローン機体に加えて、高精度な三次元地図や、複数のドローンを制御するための運航管理システム、クラウドサービスなどで構成される新しいプラットフォームです。

スマートドローンプラットフォーム

スマートドローンプラットフォーム

これまでのドローンは、限定されたエリア内で人が立ち会いながら操作する必要があり、エリアの外に出ると制御できなくなりましたが、KDDIの4G/5Gネットワークとドローンを組み合わせることで、従来よりも広範囲でドローンを自律飛行させたり、遠隔地から操縦することが可能となります。

機体は、プロドローンが開発した世界初の「直接作業型大型ドローン」を使用します。同社は、2本のロボットアームで荷物を掴(つか)んだり放したりできるドローンや、水中映像を撮影できるドローン、さまざまな社会インフラの壁面や天井面に張り付いて検査を行うドローン、機体制御の乗っ取りや機体内部データの情報漏洩を防止する高度に暗号化された装置を搭載したドローンなどさまざまな機体を提供すると共に、遠隔地から自由に操縦できる機体の開発にも取り組みます。

プロドローンのロボットアーム搭載ドローン

プロドローンのロボットアーム搭載ドローン

ロボットアーム搭載の中型ドローン

ロボットアーム搭載の中型ドローン

水中撮影用ドローン

水中撮影用ドローン

社会インフラ検査用のドローン

社会インフラ検査用のドローン

暗号化装置を搭載したドローン

暗号化装置を搭載したドローン

ゼンリンは、ドローンの高度な自律飛行を実現するために、保有している地形・建物情報をベースに高精度な “空の三次元地図” の研究開発を行い、ドローンの自律飛行において、機体を安全に誘導するための基盤構築に取り組んでいく方針です。

高精度三次元地図のイメージ

高精度三次元地図のイメージ

複数のドローンを制御するための運航管理システム

複数のドローンを制御するための運航管理システム

直接作業型ドローンを遠隔地から操作可能に

12月19日には記者発表会が行われ、会場となった渋谷ヒカリエから、愛知県名古屋市にあるドローンを遠隔操作してAED装置(Automated External Defibrillator、自動体外式除細動器)を運ぶデモンストレーションも行われました。

遠隔地からのドローン操縦デモ

遠隔地からのドローン操縦デモ

KDDIの山本氏

KDDIの山本氏

KDDIの山本氏は同プラットフォームの可能性について、「直接作業型のドローンを使用すれば、東京にいる熟練した作業員が遠隔地のドローンをコントロールして作業するといったことも可能となります。市場が一気に広がりました」と期待を寄せています。

3社は今後、同プラットフォームを活用して、設備検査や農業支援、災害救助などのソリューションや、撮影サービスなどのコンシューマサービスを提供していく予定で、2018年度の事業化を目指しています。また、来年(2017年)2月には「KDDI ∞ Labo(ラボ)」にて、スマートドローンの活用法を考えるアイデアソンを開催する予定です。

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