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リアルタイム測位利用技術講習会でみちびきの最新動向を紹介

2017年11月01日

国土地理院が所有する電子基準点リアルタイムデータの利活用と普及を推進することを目的とした組織である「電子基準点を利用したリアルタイム測位推進協議会」は10月25日、都内で第14回リアルタイム測位利用技術講習会を開催し、その基調講演において内閣府宇宙開発戦略推進事務局の坂部真一企画官が「みちびき(準天頂衛星システム)の最新動向」と題した講演を行いました。

内閣府の坂部企画官

内閣府の坂部企画官

坂部企画官は、今年6~10月にかけてみちびき2~4号機の打ち上げが成功したことを報告し、その最新状況を説明すると共に、2015年に決定された新たな宇宙基本計画や、諸外国の測位衛星システムの状況、みちびきの機能などについて解説しました。さらに、みちびきの活用法として、IT農業や土木建設、自動運転、スポーツ・健康サービス、観光など、さまざまな可能性が検討されていることを説明しました。

また、衛星測位関連市場の国際動向についても触れて、欧州全地球航法衛星システム監督庁(GSA)の報告書によると、2013年時点で世界の衛星測位市場は約500億ユーロであり、その後も年々拡大していると語りました。さらに、現在ではGPSだけでなく複数の測位衛星に対応したマルチコンステレーション(Multi-Constellation)が標準となっており、衛星測位はかつてないビジネスチャンスであるとしました。

講演する坂部企画官と会場の様子

講演する坂部企画官と会場の様子

坂部企画官は最後に、「来年度から始まるみちびきの正式サービスに向けた利用促進に取り組みながら、使い勝手のよいサービスを提供したいと考えており、細かい点でいろいろな要望があればぜひ教えてほしい。より多くの方にみちびきを利用していただきたいと思っています」と、参加者にみちびきの利用を呼びかけました。

講習会ではこのほかに、電子基準点の海外展開の事例や、GNSS測量におけるBeiDou衛星の利用検証、レーザー測位システムの開発・応用など、さまざまなテーマで講演が行われました。

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