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戸田建設が、衛星測位を活用したタワークレーンの2次元自動誘導システム

2018年03月27日

戸田建設株式会社は、衛星測位技術を活用したタワークレーンの2次元自動誘導システムを開発しました。
タワークレーンによる揚重作業は、常に変化を続ける現場の状況に合わせた対応が必要であり、作業の進捗がオペレータの技量に大きく左右されます。高齢化などで熟練オペレータが不足しており、作業にかかる負担の軽減と作業効率の向上が課題となっています。

タワークレーン

タワークレーン

同社が今回開発した2次元自動誘導システムは、操縦席のディスプレイに表示されたCAD図面上でオペレータが吊荷の荷取位置と取付位置をタップすると、吊荷を運搬するために必要な起伏・旋回時間が自動演算され、ブームの先端を最短ルートで取付位置まで自動誘導します。目的の位置に近づくと減速機能が働き、荷ブレを抑制します。
ブームの現在位置の把握には、衛星測位機能を利用しています。同システムにより、ブームの起伏と旋回操作が自動化され、オペレータの負担軽減と揚重作業の効率化を実現しました。

オペレータの負担軽減や、効率的なクレーン操作が可能に

タワークレーンにおける自動誘導技術は、従来は手動で行っていたブームの起伏や旋回などのさまざまな操作を自動で行うもので、同技術を活用することにより、オペレータの負担を軽減できるほか、経験の少ないオペレータでも効率的なタワークレーンの操作が可能となります。また、余分な電力消費を抑えて、作業所の省エネルギー化も実現できます。

ディスプレイ操作の様子

オペレータの操作状況(左)とディスプレイの操作図面例(右)

今回の開発では、このような技術の一部を実用化しました。同社は揚重作業の自動化を目指しており、すでに画像処理技術を用いた吊荷旋回制御装置を実用化しています。今回開発したシステムもその一環として開発されたものです。

戸田建設は今後、同システムの第2弾として、吊荷を取付位置まで吊り上げ・吊り下げる3次元自動誘導の開発を進めると共に、全国の工事現場への普及展開を図る方針です。また、同システムは、現在はみちびきに対応していませんが、今後、みちびきのL6信号への対応も検討していきたいとしています。

※ヘッダおよび本文画像提供:戸田建設株式会社

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