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東京ビッグサイトで「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2017」開催

2017年07月21日

東京・有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)で2017年7月19~21日、i-Constructionや防災・減災、気象・環境テクノロジーなど複数の展示会からなる総合展「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2017」が開催されました。出展されたGNSS関連の技術やシステムを紹介します。

会場前の看板

GNSS自動変位計測システム「DANA」

 ──── 古野電気株式会社

長谷部氏

「センサー部は軽くて設置も容易で、太陽電池パネルの自立電源で動作します」(古野電気 長谷部雅孝氏)

製品画像

DANA

GNSS自動変位計測システム「DANA」は、道路の切り通しなど法面(のりめん)のわずかな動きを、ミリメートルオーダーで常時計測・把握するシステムです。GNSS変位計測センサーと回線集約器で構成され、前者がRTK(Realtime Kinematic、固定点の補正データを移動局に送信してリアルタイムで位置を測定する方法)におけるローバー(移動局)、後者がベースステーション(基地局)に相当します。
GNSS変位計測センサーは、受信したGNSSの信号(搬送波位相データ)を無線LAN経由で回線集約器に送り、回線集約器は自身の受信データも合わせ、3G回線またはイーサネット回線で解析を行うPCに転送します。
受信チップには同社のeRide OPUS 7が使われており、GPSに加えみちびきを利用することで測位率が向上したといいます。データ解析頻度は5分毎または1時間毎に設定でき、雨量計をオプションで装着することもできます。

対空標識「エアロボマーカー」

 ──── エアロセンス株式会社

鈴木氏

「マーカーのデザインは、クラウド側のAIが認識しやすいものをいくつかの候補から選びました。赤黒の同心円形状は、自然界にあまり存在しないはずです」(エアロセンス 鈴木康輔氏)

製品画像

エアロボマーカー

ドローンを使った産業用ソリューションビジネスを展開するエアロセンス株式会社は、自律飛行ドローン用の対空標識となる「エアロボマーカー」を展示しています。
バッテリー動作のエアロボマーカーには、みちびき、GPS、GLONASSに対応したマルチGNSS受信機が内蔵されており、測位衛星の信号(RAWデータ)を記録します。事前に標定点・検証点に設置し、空撮後に回収してマーカーに記録されたデータを吸い出します。これをクラウド側で後処理することで、RTK法と同等の精度でマーカーの位置情報が得られます。
同社は自動空撮から3Dモデルによる起工測量、出来高・出来形管理までの一連のワークフローをエアロボ測量と名付け、測量ソリューションとして展開しています。

マッピングシステム「Pegasus:Backpack」

 ──── ライカ ジオシステムズ株式会社

梶谷氏

「GNSS受信機は、屋外での測位だけでなくシステムの時刻同期にも使っています。タブレットを使えば、カメラ画像の確認・調整を歩きながら行えます」(ライカ ジオシステムズ 梶谷真代氏)

「Pegasus:Backpack」は、高精度の広角カメラ(5台)、レーザースキャナ(2台)、IMU、GNSS受信機などを統合した重量約13kgのウェアラブル型マッピングシステムです。
カメラ画像とレーザースキャナによる点群データを同時取得する車載型システム「Pegasus:Two」の機能を、バックパックサイズに縮小したもので、車両が入れない歩道や屋内、地下などでもシームレスにデータを取得できます。

製品画像

Pegasus:Backpack(ウェアラブル型)

製品画像

Pegasus:Two(車載型)

(取材・文/喜多充成・科学技術ライター)

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