コンテンツです

国交省、岡山県でみちびきを活用したバスロケシステムの実証実験

2017年12月20日

国土交通省は、岡山県玉野市において、みちびきの高精度測位を活用したバスロケーションシステムの実証実験を12月15日から開始しています。

バス・タクシーの高精度な位置情報をリアルタイム提供

同省は公共交通機関の利便性向上や乗り継ぎの円滑化を目的に、2015年度から3年間、高精度なバスロケーションシステムの開発を実施しています。このシステムでは、みちびきから得られるバスやタクシーの高精度な位置情報を一元的に収集し、利用者に対し、乗りたいバスがどこにいるかを精度良く、リアルタイムで提供することを目指しています。
今年度は、プロジェクトの最終年度として、プロトタイプを開発した上で、利便性や乗り継ぎ面での有効性について玉野市で実証実験を通じた検証を行います。

シーナビ(イメージ画面)

事業を受託したのは、各種クラウドサービスやIoTサービスの開発を手がけるコガソフトウェア株式会社(東京・台東区)で、同社は次世代型デマンド交通システム「孝行デマンドバス」を提供しています。今回はこの「孝行デマンドバス」のサービス基盤と連携して、みちびきの高精度測位を活用したオンデマンドバスロケーションシステムを開発しました。これにより、複数の公共交通機関の乗り継ぎ利便性を向上させられるかを検証します。

みちびき対応のIoTデバイスを搭載

玉野市では、幹線輸送のコミュニティバス「シーバス」と、支線送迎のデマンドタクシー「シータク」が市民の足として確立しています。みちびきを活用したオンデマンドバスロケーションシステムを導入し、車両の現在地がすぐに分かるようにすることで、シーバス、シータクの乗り継ぎに関する不安を解消します。

システムでは、シーバスとシータクにみちびき対応のIoTデバイス(GPS/QZSSトラッカー)を搭載し、Android用の定期位置情報取得・送信アプリを使って5秒間隔で位置情報を取得します。これにより、デマンド交通の予約・運行データと連携して、次に向かう目的地までの車両位置をリアルタイムで確認できます。これらの情報はデジタルサイネージやスマートフォン、パソコンなどを使って確認します。

みちびき対応デバイスで取得した位置情報は、株式会社ソラコムが提供するデータ通信サービス「SORACOM Air SIM」によってクラウドにデータ通信します。さらに、クラウドサービスに特化したデータ転送サービス「SORACOM Funnel」を活用することで、運用コストを抑えています。なお、データ形式は、公共交通機関の時刻表とその地理的情報に使用される共通形式フォーマットであるGTFS形式を採用しています。こうした特徴により、安価かつ汎用的にどのような地域でも適用できるシステムを目指しています。

参照サイト

※ヘッダおよび本文画像提供:国土交通省、コガソフトウェア株式会社

関連記事