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静岡大がRTK-GNSS用基準局のリアルタイムデータを無償公開

2017年06月12日

国立大学法人静岡大学准教授の木谷友哉氏(学術院情報学領域)は、株式会社シーポイントラボの協力のもと、同大学浜松キャンパスに設置されているRTK-GNSS用基準局のリアルタイムデータを6月1日からインターネットで公開しました。この基準局は、東京海洋大学准教授の久保信明氏らの協力により昨年2月に設置され、研究開発に利用されてきた設備であり、ユーザー登録は不要で、だれでも無料で利用できます。

静岡大の屋上に設置された基地局のアンテナ

静岡大の屋上に設置された基地局のアンテナ

木谷氏は「“高精度測位都市・浜松”を目指す上で、仲間を増やすことと多くの人に経験を重ねてもらうことが重要と考え、無償公開に踏み切りました。こうした形での基準局の公開は日本初だと思いますし、公開後も第一線の専門家のアドバイスを得て改良を続けています。こうした試みに取り組む仲間が全国に増えてほしいし、ラズベリーパイなどを使った簡易な移動局も開発中で、積極的に情報提供していきます」と語っています。

静岡大学准教授の木谷友哉氏

「6月1日に向けて準備を進め、みちびき2号機の打ち上げに間に合ってホッとしました」(木谷氏)

半径10kmの範囲内で測位可能(図版提供:静岡大学 木谷研究室)

インターネット経由でこの基準局データを利用することで、基準局からおおむね半径10kmの範囲内で、RTK法による高精度測位が可能となります。基準局には国土地理院の電子基準点で使われているものと同じタイプのマルチGNSS対応受信機を使用しています。

また、組織のセキュリティポリシー等で利用可能ポートが制限されている場合でも、通常のウェブサイトが閲覧できる環境であれば、基準局データの利用が可能です。サーバドメインなどの配信システムの詳細、基準局の座標値などの詳細は、以下のウェブサイトでご確認ください。

(取材/文:喜多充成・科学技術ライター)

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