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[WTP講演](2)4機体制に向け利活用の議論を推進したい(内閣府・坂部氏)

2016年06月13日

2018年の4機体制に向け利活用の議論を推進したい

── 内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 企画官 坂部真一氏

5月27日、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2016」のセミナー「ロケーションサービス~準天頂衛星、屋内測位、位置情報利用~」の2人目の講演者として登壇した内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 企画官の坂部真一氏は、「準天頂衛星システムの開発整備及びその利活用」と題して、準天頂衛星システム「みちびき」が提供するサービスの概要と活用イメージを講演しました。

日本は民生利用では世界最大規模のGPS利用国

内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 企画官 坂部真一氏

衛星測位は日常生活でおなじみのカーナビゲーションシステムのほか、航空、鉄道、船舶、農業、測量、時刻管理などさまざまな分野で生活になくてはならない基本インフラとなっています。全世界をカバーする衛星測位システム(GNSS)には、米国のGPS、ロシアのGLONASSがあります。また、欧州のGalileo、中国のBeiDouも全世界をカバーすることを目標に、先進国はしのぎを削って測位衛星の環境整備に取り組んでいます。

日本は民生利用としては世界最大規模のGPS利用国です。GPSの補強・補完を目的に、独自の測位衛星システムとして「みちびき」の開発が開始されました。現在運用を開始している「みちびき」初号機に加えて2017年度には3機を打ち上げ、2018年度には4機体制の運用を開始、さらに3機を加えて、2023年度には7機体制での運用を目指しています。

7機体制となることで、日本上空にかならず4機以上のみちびきが位置することになり、持続的な測位が可能になります。来年度の打ち上げに向けて、衛星の開発を進めると共に、運用に必要な追跡管制局や監視局などの地上設備を現在建設中です。また、サービスの利用を普及させるために2周波受信機の開発を進めています。

講演風景

民生分野の利活用推進のためS-NETを立ち上げ

みちびきが提供するサービスは大きく3つになります。補完サービスは、GPSと互換性がある測位信号を配信することで、上空視界が限られた都市部や山間部などでGPSの信号を補い、測位精度を向上させます。補強サービスは、電子基準点の情報や電離層などの誤差補正情報を提供することで、測位精度をセンチメートル又は数メートル程度にまで向上させます。メッセージサービスは、地上から送信したメッセージをみちびきから発信するサービスで、災害や危機管理に関する情報を一斉配信する「災害・危機管理通報サービス(災危通報)」や「衛星安否確認サービス(Q-ANPI)」などが該当します。

内閣府は、関係省庁と民間が連携しながら準天頂衛星の民生分野での利活用を推進するために、スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)を立ち上げました。東京を皮切りに各地で開催した準備会合や3月21日の発足式典には宇宙分野、非宇宙分野を合わせてのべ約1,000名が参加し、関心の高さを伺わせました。

内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 企画官 坂部真一氏

坂部氏は最後に、「各国のGNSSとみちびきの4機体制が整備され、2周波受信機が広く普及する社会がまさに到来しようという中で、皆さんの生活がどう変わるか、またどのようなビジネスが展開できるのかということを、ぜひ一人一人が考えてほしい」と述べ、講演を終えました。

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