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京都でみちびきを利用した自脱コンバイン(イネ収穫機)の自動走行実験

2017年12月5日掲載
2017年12月8日改訂(※当日の映像を追加)
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準天頂衛星システムサービス株式会社は11月22日、京都府木津川市の京都大学大学院農学研究科附属農場において、みちびきのセンチメータ級測位補強サービスの信号を利用して自脱コンバイン(イネ収穫機)を自動走行させる実証実験を行いました。

内閣府の滝澤参事官

内閣府の滝澤参事官

実験に先立って挨拶した内閣府宇宙開発戦略推進事務局の滝澤豪参事官(準天頂衛星システム戦略室長)は、「新しい分野を切り開くツールとしてみちびきを役立てていただきたい。農業分野では、210万人の6割以上が65歳以上であるなど高齢化の進行等により労働力不足が深刻。人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業が多く、省力化が喫緊の課題となっています。安倍総理も、2018年に圃場内の農機の自動走行システムの市販化、2020年に遠隔監視で無人システムの実現に向け制度整備等を行う旨、発言されています。センチメータ級の測位補強サービスの信号により世の中が変わっていく最前線の現場を、皆さんと一緒に見届けたい」と期待を述べました。

農場には自前のGNSS基準局も整備

[映像] 自脱コンバインの自動走行実験の様子(2分15秒)

実験が行われた京都大学附属農場は、昨年(2016年)4月に開所したばかり。農業に関わる基礎研究や実習教育の場であると共に「産学連携のプラットフォームとなる」こともミッションの一つとしています。農場総面積24.6ヘクタールのうち4.2ヘクタールを占める水田には地下水位制御システムなどを備えるほか、農場全体をデジタル簡易無線でカバーする自前のGNSS基準局も整備されています。

実験を行った自脱コンバイン

実験を行った自脱コンバイン

今回の自動走行実験では、刈り取り機能と脱穀機能を併せ持つ農機「自脱コンバイン」を、1)農場内のGNSS基準局を利用したRTK方式と、2)みちびきから配信されるセンチメータ級補強信号を利用した単独測位方式の両方式で、稲刈りを終えた圃場を走らせました。この自脱コンバインは、トラクターや田植え機と共に米作を支える重要な農機です。11月下旬とあって、実験はすでに刈り取りを終えた圃場で行われました。

自脱コンバインの仕様

自脱コンバインの仕様

制御システムの図解

制御システムの図解

この規模(50×100m)の圃場を刈り終えるに約3時間かかる

この規模(50×100m)の圃場を刈り終えるに約3時間かかる

コスト面で農家にとって大きなメリット

京都大学の飯田教授

京都大学の飯田教授

実験を指揮した京都大学農学研究科の飯田訓久教授は、集まった関係者らを前に「RTK方式も、みちびきのセンチメータ級測位補強サービスも精度は十分出ています。ただ、みちびきを使うほうが、基地局設置の初期コストや通信などのランニングコストがかからず、安くつく。この点は農家にとって大きなメリットです。すでにコンバインはコンピュータ制御されており、みちびき等のGNSSで高精度な位置情報を与えプログラムにわずかな変更を加えるだけで自動化が実現します」と解説しました。

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