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防災利用実証(2014年9月):結果

2014年12月11日

1.防災利用実証の背景

準天頂衛星システムの災害・危機管理通報サービス「災危通報」について、災害時における災害情報の伝達手段として活用が期待されています。そこで、利用者を巻き込んだ実証を行うことで、本サービスの有効性の確認を行いました。
災危通報の活用方法について長年R&Dを継続しているRedRescueプロジェクトと共同で実証を行うことで、長年にわたり蓄積された実証実験の計画や実行や分析などの知見を活用し、本実証を実施しました。

2.防災利用実証の概要

実施内容は以下の通りで、約20名のQSUS会員の方に参加いただきました。

実施日 2014年9月11日(木)11:00~18:00
想定災害 慶長型地震(M8.5)(津波災害を想定)
対象者 通勤・通学途中、外出、観光における散策など、市街地にいて、防災情報の取得が可能な人を想定
参加者 QSUS会員:19名
想定利用シーン 市街地を訪れているヒトに対し、順次正確な防災情報を伝える
実施内容 スマートフォンに表示された防災情報及び避難支援アプリを頼りに最適な避難を実施
使用する防災情報
(災危通報で配信)
(1)緊急地震速報
(2)震度情報
(3)津波警報 津波情報(津波到達予想時刻・予想津波高)
(4)大津波警報 津波情報(津波到達予想時刻・予想津波高)

(上記の防災情報を順次配信)
実験パターン (1)災危通報、避難支援アプリともに不使用 (被験者:4名)
(2)災危通報のみ使用(避難支援アプリ不使用) (被験者:5名)
(3)避難支援アプリのみ使用(災危通報不使用) (被験者:5名)
(4)災危通報、避難支援アプリともに使用 (被験者:5名)
検証項目 ・災危通報の有効性の検証
・地図等の提供コンテンツの差による検証
使用機器 スマートフォン(Android端末)

実証は、横浜市みなとみらい地区にて実施し、周辺の指定避難所、避難場所を避難支援アプリを通じて参加者に情報提供しました。

実証地区の地図(横浜市みなとみらい地区)

アプリで情報提供した避難場所

■津波緊急避難所
A.日産自動車本社
B.パシフィコ横浜
C.ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル
D.ナビオス横浜
E.開港記念会館
F.横浜第二合同庁舎
G.クロスゲート
H.横浜桜木町ワシントンホテル

■広域避難場所
a.みなとみらい臨港パーク一帯
b.紅葉丘一帯
c.野毛山公園
d.山下公園
e.横浜公園

実験パターンとして、「災危通報の有無」、「避難支援アプリの有無」を組み合わせた計4パターンで実証を実施しました。

3.防災利用実証の結果

実験は限られた人数で実施しており、また、参加者の属性の偏りも存在している上での結果となります。


(1)災危通報、避難支援アプリともに不使用

災危通報による災害情報や避難支援アプリによる指定避難所、避難場所の情報を使用しないで避難行動を実施

参加者:4名

災危通報、避難支援アプリともに使わない場合の、参加者の避難行動ログ

参加者の避難行動ログ

【避難状況】
・海岸付近の地震ということで、参加者全員が津波災害の心配をしており、全員が高い建物に避難を実施しています。
・参加者の中には、災害情報を得るために防災無線の屋外スピーカー近くの建物に避難を実施している人もいます。

(2)災危通報のみ使用 (避難支援アプリ不使用)

災危通報による災害情報のみを使用して避難行動を実施
参加者:5名

避難支援アプリを使わず、災危通報のみ使った参加者の避難行動ログ

参加者の避難行動ログ

【避難状況】
・全ての参加者が災危通報による行動の誘発性を評価しており、避難行動のトリガとして使用しています。
・避難には災危通報だけでは情報不足という意見がありました。

(3)避難支援アプリのみ使用 (災危通報不使用)

避難支援アプリによる指定避難所、避難場所のみを使用して避難行動を実施
参加者:5名

災危通報は使わず、避難支援アプリのみ使った参加者の避難行動ログ

参加者の避難行動ログ

【避難状況】
・海岸付近の地震ということで、参加者全員が津波災害の心配をしており、全員が高い建物に避難を実施しています。
・津波災害の想定から、避難支援アプリの避難所を確認し、津波指定避難所への避難行動を実施しています。

(4)災危通報、避難支援アプリともに使用

災危通報による災害情報や避難支援アプリによる指定避難所、避難場所の情報を使用して避難行動を実施
参加者:5名

災危通報、避難支援アプリともに使った参加者の避難行動ログ

参加者の避難行動ログ

【避難状況】
・全ての参加者が災危通報による災害情報と避難支援アプリの避難所を確認し、避難行動を実施しています。
・全ての参加者が災危通報による行動の誘発性を評価しており、避難行動のトリガとして使用しています。
・一部の参加者について、災危通報による津波情報をトリガに、自分の位置からもっとも近い津波緊急避難所に逃げるよう判断しています。

4.考察

災危通報による災害情報の配信は、被災者が避難行動するための誘発性を発揮できると考察します。
また、災危通報による災害情報の配信に加え、避難場所の情報など避難行動につながる具体的な情報が提供できれば、より有効な避難行動の促進が可能になると考察します。