コンテンツです

[セミナー1] LBJ2015で自動走行システムに向けた測量・法律の課題整理

2015年06月19日

2015年6月10~12日の3日間、千葉・幕張メッセで開かれたロケーションビジネスジャパン2015では、企業・団体によるブース展示のほか、専門家によるセミナーや講演など多数のイベントが実施されました。
会期2日目の6月11日には「衛星測位で拡がる自動走行支援ビジネスの実際」と題したセミナーが開催され、アイサンテクノロジー株式会社 研究開発知財本部の細井幹広部長と日本大学法学部の藤村和夫教授がスピーカーとして参加。コミュニティサポーター/ライターの鈴木まなみ氏の司会のもとで、自動走行システムの実現に向けた、測量や法律の分野における課題と論点の整理を行いました。

日本大学の藤村教授、アイサンテクノロジーの細井氏、コミュニティサポーターの鈴木まなみ氏の写真

左から、講演中の藤村教授、細井氏、鈴木氏

まずアイサンテクノロジーの細井氏が登壇し、測位精度把握と地図評価のための走行実験の模様や、走行しながら高精度の地図を作成するMMS(モバイル マッピング システム)で作成された、レーザースキャナによる3Dマップなどを紹介しました。
「人間が見ることを想定して作られた現在の地図は、自動走行が必要とする精度には達していないことが明らかになっており、クルマのための高精度地図の整備が必要である」との認識を示し、車載センサが読み取った物体が、そのような地図の上で何に相当するかという「識別能力」が不可欠であると指摘しました。

続いて日本大学の藤村教授(民法・交通法)が登壇。「自動運転で期待される大きな効用の1つが交通事故の絶対数が減ることだが、自動運転車と従来の自動車が混在する環境下で「加害車/者」「被害者」となった場合の法的責任をあらかじめ検討しておく必要がある」と指摘。
「自動運転が実現しても、責任分担が自動処理されることはない」とした上で、現行法下では交通事故がどのように処理されているかを、自動車損害賠償保障法(自賠法)、製造物責任法(PL法)、民法(第709条 過失責任)、国家賠償法(第2条 営造物責任)などをひきながら、それぞれに立証責任がどう規定されているか、免責要件がどのようなものであるかを概説し、来場者の関心を集めていました。

冒頭で司会進行を務めるコミュニティサポーターの鈴木まなみ氏の写真。左奥には藤村教授と細井氏も。

関連情報

関連記事