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[報告] スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)大会

2017年04月23日

内閣府宇宙開発戦略推進事務局は3月21日、スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(略称:S-NET)大会を、東京・千代田区のJA共済ビル カンファレンスホールで開催しました。

内閣府の守山氏

内閣府の守山氏

冒頭、主催者である内閣府宇宙開発戦略推進事務局 準天頂衛星システム戦略室の守山宏道室長が開会挨拶、およびこれまでのS-NET活動や来年度のねらいなどについて紹介し、大会がスタートしました。

デロイト トーマツの片桐氏

デロイト トーマツの片桐氏

続いて、S-NET事務局であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社ヴァイスプレジデント片桐 亮氏が登壇し、今年度のS-NETの活動について「用途市場からの要請と宇宙産業が抱える課題の双方から分科会テーマを設定し、日本各地において分科会を5回開催した。また、ワーキンググループの組織・運営を実施し具体的なビネスモデル構築を検討した」と報告しました。

[基調講演] 宇宙における新産業、新サービス創出への期待

JAXAの國中氏

JAXAの國中氏

基調講演として、はじめに宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブ ハブ長の國中 均氏が講演を行いました。國中氏は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」開発における自らの体験から説き起こし、「組織に所属している研究者・技術者は自分たちが創出したい未来に向かって研究開発しているが、未来への指向が所属している組織と必ずしも合っているわけではない。組織に属しない研究開発を進め自己実現を目指すためには、外部資金を積極的に獲得していくことが必要ではないか」「JAXAの宇宙探査イノベーションハブ事業は、多くの民間企業と共に技術研究開発を行うプロジェクトである。ここで生み出される技術が地上と宇宙双方にイノベーションを起こすことを目指している。地上活動として新産業を興すと共に、数十年後には月・火星探査に向けて役立てることができる」と訴えかけました。

[基調講演] タイにおける多周波GNSSを使用した活動

チュラロンコン大学のThitipatanapong氏

チュラロンコン大学のThitipatanapong氏

次の基調講演として、タイのチュラロンコン大学・客員研究員であるRaksit Thitipatanapong氏が登壇し、複数の航法衛星から地上に向けて送信される電波を受信することで位置や速度方位の算出、および高精度な時刻の取得ができる衛星システム(多周波GNSS)を使用した実験結果等を紹介しました。車両を使用した実験では、固定基準局からの距離に制約され用途や利用エリアが限定されていた従来のRTK(Real Time Kinematic)型測位補強ではなく、PPP(Precise Point Positioning)型測位補強を使用することで基準局を必要としないリアルタイム高精度測位が可能であるとの結果を説明しました。

新たなビジネスコンテスト「S-Booster 2017」

内閣府の髙田氏

内閣府の髙田氏

続いて「新たなビジネスコンテスト構想について」と題し、内閣府宇宙開発戦略推進事務局 事務局長の髙田修三氏が講演を行いました。髙田氏は「アーリーステージのアイデアや創意工夫の実現を応援するため、ビジネスコンテストである『S-Booster 2017』を実施する。現在、S-Booster 2017への民間スポンサー企業を募集しており、スポンサー企業には受賞者への資金面の援助や事業化支援を行うことを期待している」と語りました。

ビジネス交流会での自由な意見交換

ビジネス交流会の様子

ビジネス交流会の様子

今回、宇宙技術をソリューションビジネスに取り込みたいITベンチャー企業、自らの宇宙技術を新たなビジネスにつなげたい宇宙関連企業、宇宙ビジネスの参画に興味・関心のある新規事業開発担当者等、幅広い企業、分野の方々に対して交流の場を提供すべく「ビジネス交流会」を開催しました。会場内の交流会では、8人1グループの小グループ内におけるディスカッション・プレゼンテーションを2ターン実施し、名刺交換や意見交換が盛んに行われました。

ホワイエでのブース展示

ホワイエでのブース展示

また、会場横のホワイエではJAXAイノベーションハブ、一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構(Japan Space Systems)「宇宙ビジネスコート」、株式会社ウッドインフォ(林業)、株式会社ALE(観光)、南阿蘇ルナ天文台(観光)、日本電気株式会社(防災)、株式会社ビジョンテック(農業)によるブース展示が開設され、多くの参加者が訪れ個別の議論を交わしました。

鶴保内閣府特命担当大臣が挨拶

鶴保内閣府特命担当大臣

鶴保内閣府特命担当大臣

鶴保庸介内閣府特命担当大臣が登壇し、「日本はニーズとシーズのマッチングを図っていかなくてはいけない。その先鞭をつけるのが宇宙分野」「さまざまな科学技術をマッチングさせて技術立国日本がいかに世界をリードしていくか、今日はそのスタートを切ることができた」と挨拶しました。

参照サイト

「S-NET」分科会(2016年度)