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[報告] GPS・QZSSロボットカーコンテスト2015

2015年10月26日

2015年10月24日、東京海洋大学 越中島キャンパスで第9回GPS・QZSSロボットカーコンテスト2015(主催・一般社団法人測位航法学会、共催・準天頂衛星システムサービス株式会社/一般財団法人衛星測位利用推進センター/公益社団法人日本航海学会 GPS/GNSS研究会)を開催しました。

開会式での集合写真

開会式での集合写真。2つの競技に延べ23チームがチャレンジしました

出走前の記念撮影

出走前の記念撮影

ダブルパイロンとQZSSスクランブルの2種目

このコンテストは衛星測位しながら自律走行するロボットカーが、2種類の競技でポイントとタイムを競うもので、昨年とほぼ同様のレギュレーションで行われました。

「ダブルパイロンレース」の座標値

ダブルパイロンレース(当日に座標値が発表される2つの"Waypoint"の間を8の字に走行)

QZSSスクランブルの座標値

QZSSスクランブル(みちびきから災危通報の簡易メッセージを受け、7×7のマス目のうち指定された3つを指定順序で走行)

全15チームが技術力を競う

今年は全15チームがエントリーしました。参加表明したチームには事前にみちびき対応の受信機が貸与され、みちびきからのテストメッセージの試験配信も数回にわたり行われました。以下、当日の競技の様子を写真でご覧ください。

FNCT 「GRASSHOPPER」

ダブルパイロンレース優勝の福井高専(FNCT)「GRASSHOPPER」。走行中にバッタ部分が脱落する"脱皮"のアクシデントもありました

Amano Lab. 「Kevin」

驚くべき正確さとスピードと愛らしさでQZSSスクランブルを制し、ダブルパイロンレースでも2位に入ったAmano Lab.(早稲田大学基幹理工学部天野研究室)の「Kevin(ケビン)」

Team Katy 「Bobcat」

パイロンをなぎ倒す爆走で観客を沸かせたTeam Katyの「Bobcat」はダブルパイロンレース3位入賞

サレジオ高専「ボスどん1号」

サレジオ高専の「ボスどん1号」はキリスト教の聖人にちなみ命名

ロボット研究会「ローバ2号機」

QZSSスクランブル3位のロボット研究会「ローバ2号機」

チーム東京海洋大

プログラムを入念に見直す、チーム東京海洋大

Amano Lab. 「Kovin」

今年はドローンも初参加。念のため安全テザーを付け競技に臨むAmano Lab.「Kovin(コビン)」

大田原ロボット研究所「ロボット・インフィニティ2015」

QZSSスクランブル2位の大田原ロボット研究所「ロボット・インフィニティ2015」。指定されたポイントへの到達を、手を振りLEDを光らせてアピールした

GRASSHOPPERとKevinが優勝

競技結果(「GPS・QZSSロボットカーコンテスト2015」ウェブサイトより転載)

ダブルパイロンレース入賞者の皆さん。両競技の上位入賞者にはアイサンテクノロジー株式会社からタブレット端末Nexus7が贈られました

QZSSスクランブル入賞者の皆さん。両競技の優勝者には岩城農場(栃木県大田原市)から新米10kgが贈られ、参加者全員に「ナス」も提供されました

小学生~社会人の幅広いエントリーでレベルアップ

岩城善広さん

審判をつとめた岩城善広さん

「今回大会では、小学生から社会人まで幅広い層からエントリーがありました。ダブルパイロンレースでは、昨年の優勝ポイントでも今年は3位入賞できません。そのくらい競技レベルは上がっています」

入江博樹氏

運営に関わった測位航法学会の入江博樹氏(熊本高等専門学校建築社会デザイン工学科 教授)

「これまでの大会は、電子関係の専門家がこだわりの一品を出すような傾向がありました。使われているマイコンが特殊だったり、プログラムがとっつきにくかったりして、プログラムリストや回路図が提供されても他の人たちが追従しづらい状況にありました。しかし「ロボット・インフィニティ2015」(大田原ロボット研究所)や「GRASSHOPPER」(福井高専)などは一般的な市販品で作られており、初心者にもとっつきやすく、性能的にも十分な力を持っていました。また、ラジコンカーの専門家らしい作り込みで攻めの走りを見せてくれた「Bobcat」(Team Katy)もよかった。愛嬌のある動きを見せるロボットも多く、ドローンの初参加もあり、いずれ参加したいと見学にきた小学生もいました。来年はさらに幅広い層の参加が得られることを期待しています」

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