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ロボットカーコンテスト2014:早稲田大 天野研究室インタビュー

2014年12月04日

早稲田大学 天野研究室(2014年11月26日取材)

圧倒的な走行でダブル優勝 来年はさらに高いレベルを目指す

圧倒的な走行でQZSSスクランブルとダブルパイロンレースの両競技を制したロボットカー「Kevin」。製作チーム「Amano Lab.」(早稲田大学 天野研究室)の明比建さん(修士1年)、渡邉研さん(修士2年)、高橋佑允さん(学部3年)、秋池諒さん(学部3年)に大会後の感想と来年の抱負を伺いました。

左から渡邉さん、秋池さん、高橋さん、明比さん

左から渡邉さん、秋池さん、高橋さん、明比さん

─ まずは大学院生のお二人の研究テーマを教えてください。

修士1年・リーダーの明比さん

修士1年・リーダーの明比さん

明比さん(修士1年・リーダー)
惑星探査機の自己位置推定の研究をしています。衛星測位の環境がなく、目印もないところで探査機の位置を特定する研究です。

修士2年の渡邉さん

渡邉さん

渡邉さん(修士2年)
都市部などマルチパスの環境下でも衛星測位の精度を上げるための研究をしています。

─ GPS・QZSSロボットカーコンテスト2014の出場動機を教えてください。

明比さん
測位航法学会からご紹介いただき出場を決めました。学部3年生2人(高橋さん・秋池さん)が私たちの研究室に仮配属されたので、ロボットカー「Kevin」の製作を通じて研究内容を理解してもらうのも一つの理由です。Kevinの製作に着手したのは8月中旬からです。機体の選定などハードウェアは学部生2人が、測位演算や走行制御などソフトウェアは渡邉さんと私が担当しました。

ロボットカー「Kevin」

ロボットカー「Kevin」

─ コンテストで他を圧倒する結果を残したKevinの特徴を教えてください。

明比さん
KevinはRTK測位を利用しています。RTK測位は私たちの研究室が普段から利用している衛星測位の方式で、センチメートル級の精度を出すことができます。受信機から出力されたデータはKevinに搭載した小型PCで処理し、位置を特定します。RTK測位は単体受信機での測位ではないためルール違反だったのですが、事務局が大目に見てくれました。コンテスト当日は衛星測位の環境が良く、ミリメートル級の精度が出ていました。


─ ハードウェアでのこだわりや苦労した点があれば教えてください。

学部3年の高橋さん

高橋さん

高橋さん(学部3年)
Kevinの機体選定のタイミングでは、積載する部材が決まっていなかったので、多くの部材が載ることを想定し、ルールで許容される最大サイズのラジコンカーを選びました。目的地到着をアピールするライトは身近な部品を組み合わせて自作するなど、ビジュアルにもこだわりながら大学生らしいユーモアが表現されるようにしました。

学部3年の秋池さん

秋池さん

秋池さん(学部3年)
Kevinには小型PCだけでなく、機体制御用のマイコンボード(Arduino)が2つと各種センサーが搭載されています。これらは市販部品を使用して接続する予定だったのですが、部品を入手できず回路を全て自作したのが苦労した点です。

Kevinの機体内部

─ GPS・QZSSロボットカーコンテスト2014に出場した感想をお聞かせください。

明比さん
このコンテストの良いところは機体が小型だということです。持ち運びしやすいので、まずは試走して結果を確認しながらプログラムやパラメーターを改善していくことができます。大型の機体を使用する他のコンテストにも出場したのですが、試走にはひと手間かかるため、試走の前にプログラムをしっかり検証する必要がありました。手軽に試走できる小型機体のメリットを実感しました。

高橋さん
ロボットカーを作り上げるには、ハードウェア、ソフトウェア、衛星測位など総合的な知識や技術が求められることが分かりました。学校の授業ではなかなかできない経験をさせていただきました。

秋池さん
衛星測位は思っていた以上に多くの要因から影響を受けて誤差が生じていることを知りました。今回はハードウェアを担当し機体作りに熱中していましたが、衛星測位の誤差を取り除くために先輩たちが難しいことをしていたんですよね(笑)

渡邉さん
Kevinの走行制御ソフトウェアを担当し、制御のなんたるかを理解することができました。試走して改善するという作業を通じて、机に向かっているだけでは分からないことがあるのだと身をもって体験しました。


─ 準天頂衛星「みちびき」に期待することはありますか。

渡邉さん
準天頂衛星「みちびき」は、今はまだ初号機だけの運用なので、信号を受信しにくい時間帯があります。早く24時間受信できる4機体制になってほしいです。そしてできれば常に3~4機見えるようになってほしい。都市部での測位やRTK測位にも良い影響が出ると期待しています。

明比さん
コンテストでは、準天頂衛星「みちびき」から配信される「災危通報」を通じて目的地情報が送られてきました。準天頂衛星「みちびき」には衛星測位以外の使い方もできるのだと知りました。さらにエンターテイメント性のある使い方ができると良いですね。


─ 次回のコンテストに向けて抱負があればお聞かせください。

明比さん

明比さん

明比さん
Kevinは後輩たちに譲り、来年は別枠で参加するつもりです。一般的に「ロボット」と思えるような4足歩行の機体で挑もうかと考えています。このコンテストをさらに広めて、中高生がもっと参加するようにしていきたいですね。

高橋さん

高橋さん

高橋さん
他のコンテストにも積極的に参加して力をつけ、今回のKevinの記録(59秒)を超えたいと思います。何よりも明比さんに勝ちたいです(笑)

秋池さん

秋池さん

秋池さん
今回はハードウェアのみだったので、来年はソフトウェアを担当したいです。今はまだKevinの全体を理解していないので、来年に向けて50%でも70%でも理解できればと思います。

渡邉さん

渡邉さん

渡邉さん
来年は社会人になりますが、できれば個人参加したいと思っています。自分で一から部品をそろえて、個人参加でどこまでできるか試したい。多くのお金がかかっているKevinにも安価な機体で勝てるということを示したいです。

Kevinを分解する皆さん

Kevinを分解する皆さん