測位技術実証サービス
PTVは、次の図の範囲で利用可能であり、QZS4機のうち1機以上のQZSが可視となる範囲を仰角10度の線によって示す。
PTVは、標準モードと検証モードの2つの運用モードを備えており、運用モードは衛星毎に割り当てられている。PRN番号と運用モードの割り当ては、以下の表に示すとおりである。
PRN番号と運用モードの割り当て
PRN番号 | 衛星軌道種別 | ブロック割り当て | SV番号 | 運用モード | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
184 | QZO | Block IIQ | 2 | 標準モード | QZS02 |
189 | GEO | Block IIG | 3 | 標準モード | QZS03 |
185 | QZO | Block IIQ | 4 | 標準モード | QZS04 |
186 | QZO | Block IIA-Q | 5 | 標準モード or 検証モード(*) |
QZS1R |
205 | GEO | Block III | 7 | 検証モード | QZS06 |
206 | QGEO | Block III | 8 | 検証モード | QZS07 |
測位技術実証信号(L5S信号)の信号構造は、以下の表に示すとおりである。
(1)標準モード
信号構造
周波数帯 | 信号名 | 変調方式 | PRNコード名 | オーバーレイ コード名 |
メッセージ名 |
---|---|---|---|---|---|
L5 | L5S | QPSK | I5S | ── | L5S |
Q5S | Neuman-Hoffman | ── |
PRNコード特性
PRNコード名 | チップレート | 長さ | 周期 | オーバーレイ コード |
---|---|---|---|---|
I5S | 10.23[Mcps] | 10230[チップ] | 1[msec] | ── |
Q5S | Neuman-Hoffman 長さ:20 [ビット] 期間:1 [msec] |
メッセージ特性
メッセージ名 | ビットレート | シンボル レート |
周期 (最小フレーム) |
符号化方式 |
---|---|---|---|---|
L5S | 250[bps] | 500[sps] | 1[sec] | CRC 畳み込み符号 |
(2)検証モード
信号構造
周波数帯 | 信号名 | 変調方式 | PRNコード名 | オーバー レイコード名 |
メッセージ名 |
---|---|---|---|---|---|
L5 | L5S | QPSK | I5S | ── | L5S (I-ch) |
Q5S | L5S (Q-ch) |
PRNコード特性
PRNコード名 | チップレート | 長さ | 周期 | オーバーレイ コード |
---|---|---|---|---|
I5S | 10.23[Mcps] | 10230[チップ] | 1[msec] | ── |
Q5S |
メッセージ特性
メッセージ名 | ビットレート | シンボル レート |
周期 (最小フレーム) |
符号化方式 |
---|---|---|---|---|
L5S | 250[bps] | 500[sps] | 1[sec] | CRC 畳み込み符号 |
全ての測位信号の原振となる基準クロックの長期安定度を保証するために搭載する原子発振器の周波数は、地表面と衛星軌道上との差による一般相対論効果を補償するため、一般相対論効果を考慮しない場合の設定周波数に1-5.399×10-10(10マイナス10乗)を乗じた周波数に設定する。また、この場合の設定公差は±1×10-9(10マイナス9乗)以内とする。
L5S信号の中心周波数、占有帯域幅を以下に示す。
占有帯域幅
周波数帯(信号名) | 占有帯域幅 |
---|---|
L5帯(L5S) 中心周波数公称値:1176.45 [MHz] |
24.0[MHz] (±12.00[MHz]) |
最低受信強度は、円偏波受信で0[dBi] の利得の等方性アンテナを地上付近に設置し、仰角10度以上の可視の衛星からの信号を受信した時、最低となる出力レベルを示す。地球地表面における最低受信強度を次の表に示す。
最低受信強度
信号名称 | Block II and III |
---|---|
L5S | SV番号=3 : -162.6[dBW] SV番号=3以外 : -157.0[dBW] |
L5S信号は、右旋円偏波とする。
また、各信号の中心周波数において、その円偏波の楕円の長軸短軸の比率は、ボアサイト方向から±10度のビーム範囲で、以下の表に示すとおりである。
円偏波の楕円の長軸短軸の比率
信号名称 | Block II and III |
---|---|
L5S | 2.0[dB]以下 |
(1) 周波数間の群遅延
L5S信号に関して、周波数間の群遅延に対する仕様はない。
(2) 同一周波数内の群遅延
L5S信号に関して、同一周波数内の群遅延に対する仕様はない。
PRNコードゼロクロスの間隔のジッタは3σ値で2.0[nsec]を超えない。
また、PRNコードについて、Fallingエッジを正しいと見たときのRisingエッジの遅れ時間(あるいは進み時間)の平均は1.0[nsec]を超えない。
(1) 最低信号強度
L5S信号に関して、スペースサービスボリュームユーザ向け特性はないため、最低信号強度に対する仕様はない。
(2) 群遅延
L5S信号に関して、スペースサービスボリュームユーザ向け特性はないため、群遅延に対する仕様はない。
(1) 短期コードキャリアコヒーレンシ
コード擬似距離レートとドップラー周波数の短期(<10秒)差は、0.015[m/sec](1σ)より小さいものとする。
(2) 長期コードキャリアコヒーレンシ
コード位相擬似距離と搬送波位相擬似距離の長期(<100秒)差は、0.255[m](1σ)より小さいものとする。
(3) 短期L1/L5コヒーレンシ
L1ドップラー周波数とL5ドップラー周波数の短期(<10秒)差は、0.015[m/sec](1σ)より小さいものとする。
(4) 長期L1/L5コヒーレンシ
L1搬送波位相擬似距離とL5搬送波位相擬似距離の長期(<100秒)差は、0.255[m](1σ)より小さいものとする。