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センチメータ級測位補強サービス

高精度な衛星測位を行うため、国土交通省国土地理院が全国に整備している電子基準点のデータを利用して電子基準点を用いて補正情報を計算し、現在位置を正確に求めるための情報(センチメータ級測位補強情報)をみちびきから送信します。センチメータ級測位補強を送信するL6D信号は、GPSから配信している信号ではないため、専用の受信機が必要になります。

このサービスは、測量、情報化施工(建設機械を高精度に操作して施工する手法)、IT農業(農機を高精度に操作して農地管理をする手法)での利用を想定しており、L6D信号を受信することができる端末で利用することができます。また、搬送波測位という測量技術による手法を用いるため、アンテナや受信機のサイズは大きくなることから、モバイル機器ではなく、測量機材としての利用や車載での利用を想定しています。

センチメータ級測位補強では、測量の技術を使用することにより、誤差数cmで測位を行うことが可能となります。ただし、基準となる経緯度座標の方が昔の測量技術で決定されている場合には、精度の高い経緯度座標が求められるとは限りませんが、地球中心座標として高精度な測位補強を行うことができます。このため、現地測量に利用する場合には、3~4級の基準点測量や写真測量の標定点測量への利用を検討しています。

カメラやレーザースキャナと同時に受信機を車載で利用する三次元計測システムで利用することが考えられます。地上において高精度に位置や画像の情報を取得することにより、正確な地図を迅速に作成できるようになることが期待されます。

なお、衛星を経由するため、補強情報を作成してから送信するまでの間には十数秒のタイムラグがあるため、急な電離層擾乱などの際には、補正が間に合わずに測位結果が乱れる可能性があります。このため、車載で利用する場合には、工事現場や農場のような限られた領域内での利用、又は三次元計測のように後処理による利用を想定しており、公道における運転に利用する場合には、他のセンサーと組み合わせ、補助的な扱いになると考えています。

センチメータ級測位補強サービスの利用イメージ図

センチメータ級測位補強サービスのイメージ画像

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