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ジオイドとは何か? [後編]

2016年02月09日

前回は「ジオイド」から「標高」をどうやって導き出すかを説明しました。今回は、実際に衛星測位した数値から、ジオイドと標高の関係をもう一度、考えてみます。

測位衛星が認識する「高さ」は「楕円体高」

東京・越中島にある東京海洋大学の測位アンテナが示す位置情報は、緯度が北緯35度39分58秒、経度が東経139度47分32秒、そして高さが58mとなります。アンテナは5階建て校舎の屋上にあり、東京海洋大学のある越中島の標高は2mですから、建物の1フロアを4mとすると、屋上の標高は「22m=2m+(4m×5フロア)」ということになります。しかし、実際には高さは58mですから、36mも違ってしまいました。

これは、前回説明したように、衛星測位で直接求められる高さは、回転楕円体からの高さである「楕円体高」であるからです。

東京海洋大学にある測位アンテナ

東京海洋大学にある測位アンテナ

楕円体高を標高に変換するには「ジオイド高」を引き算すればよいことになります。日本国内のジオイドは、以下の国土地理院のページで計算することができ、東京海洋大学におけるジオイドは、36mであることが分かります。

つまり、衛星測位で求めた楕円体高58mからジオイド高36mを引き算した22mというのが、正しい標高ということなります。

ジオイド高を引き算した「標高」が表示される

ジオイド高が必要であることは分かりましたが、一般の利用者がジオイド高を考える必要はありません。なぜなら、すでに観測されている世界中のジオイド高を機器内部に登録して販売し、利用者に表示するのはジオイド高を引き算した標高になっているからです。ジオイド高の変化は、年間で1mm以下であることから、ジオイド高を更新しなければならなくなる前に、機器の寿命が来るでしょう。

たとえば富士山頂でのジオイド高を求めてみると、約42.5mと表示されます。もしあなたが山頂にスマートフォンを持参し、それが3,776mという値を示していたら、機器内部では42.5m分の補正が行われている、ということになるわけです。

監修:久保信明(東京海洋大学 大学院 准教授)、構成:喜多充成

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