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みちびき紹介映像(2025年版)

2025年02月07日

準天頂衛星システムみちびきを紹介するプロモーション映像(6分32秒)です。

この映像は、2025年2月のみちびき6号機打上げに合わせて公開したものです。音声が出力されない環境でご覧いただく方のためにナレーションの全文を掲載します。
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1. 準天頂衛星システムみちびき

準天頂衛星「みちびき」は、2010年に初号機が打ち上げられ2018年度から4機体制でサービスを開始しています。日本だけでなく、アジア・オセアニア地域で高い精度と測位の安定性を実現する準天頂衛星システム「みちびき」は、日本独自の衛星測位システムです。更なるサービスや機能の向上を目指し、2025年から順次3機を打ち上げ、7機体制での運用を目指しています。

カーナビやスマートフォンなどでのナビゲーションは、GPSなど衛星測位システムから電波を受信することで実現され、私たちの生活になくてはならないものになっています。準天頂衛星システム「みちびき」は、日本およびアジア・オセアニア地域を中心に特徴的な8の字軌道を描く衛星と赤道上の静止衛星から構成されています。8の字軌道により、日本のほぼ天頂付近に長くとどまる「みちびき」は、衛星からの電波が受信しやすく、安定した測位の実現に貢献しています。

「みちびき」が配信する独自の補強信号を利用することでメートルレベルやセンチメートルレベルの測位も実現します。地震や津波などの災害情報の配信や「みちびき」経由で避難所の情報を収集することも可能です。準天頂衛星システム「みちびき」は、位置情報を進化させる社会インフラとして、さまざまな分野での利活用が進められています。

2. みちびきを活用した事例紹介

1)除雪
高速道路の除雪作業は、早朝から深夜と時間帯を問わず長時間に及ぶことがあります。また、雪の影響で視界も悪く、高い運転技術が求められます。除雪車両の自動運転に加え、積雪に覆われたガードレールや白線の位置を正確に認識するために高精度な地図情報と「みちびき」のセンチメートル級測位を活用した運転支援システムを導入することで、除雪作業の効率化を実現しています。

2)農業
牧草の刈り取りやトラクターなどの農機に「みちびき」に対応した受信機を搭載することで、走行ルートを正確に記録できます。さらに、農機の走行軌跡をリアルタイムに共有することで、作業者同士の情報共有や進捗管理の負荷軽減など、作業効率を向上させることができます。農機の自動走行と組み合わせて農作業を高度化するなど「みちびき」の高精度測位は、スマート農業の実現に大きく貢献していきます。

3)物流ドローン
ドローンの自律飛行に「みちびき」を活用することで、あらかじめ指定したルートを高い精度で飛行し、目的地にピンポイントで着陸することができます。さらに「みちびき」が提供する「信号認証サービス」では、周囲から悪意のある妨害信号が発信された場合でも、認証機能により「みちびき」からの正しい信号を識別し、安心安全な飛行や正しい目的地への着陸を可能にします。実用化が期待されるドローン物流において、安心安全を届けます。

4)インフラ点検ドローン -風力発電-
私たちの生活や社会を支える設備や施設の点検にも、ドローンの活用が進められています。定期的な点検を必要とする風力発電設備においては、自律飛行による点検の効率化が検討されています。「みちびき」の高精度測位に対応したドローンは、決められた経路を正確に飛行することができ、風力発電の設備に安全に接近して撮影することが可能です。現在、全国的に建設が進められている洋上風力発電への適用が期待されています。

5)船舶 -水上タクシー-
船舶分野での活用も始まっています。「みちびき」を使用した小型船舶が、水上タクシーとして実用化されています。高精度な位置情報と各種センサーを組み合わせ、障害物や他船を検知して安全に自動航行したり、桟橋への正確な離着岸を実現しています。今後、漁業や大型船への活用などさまざまな海上利用の期待が膨らみます。

6)河川維持管理
広範囲の除草が必要となる河川の維持管理では、人工減少や高齢化による労働者不足を解消するため、大型草刈機の自動化に向けた実証実験が行われています。「みちびき」の高精度測位に対応した複数台の草刈機が、一定の距離を保ちながら自動で走行し、必要なエリアの草刈りを安全かつ正確に行います。除草面積の計測など、作業管理の自動化も実現することで、生産性の大幅な向上が期待されています。

準天頂衛星システム「みちびき」は、更なる利便性の向上を目指し、11機体制への拡張が検討されています。これからも宇宙から高精度な位置情報や防災情報などを提供し、安心・安全で豊かな社会の実現に貢献していきます。

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