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準天頂衛星の軌道

GPSの軌道イメージ図

米国の測位衛星であるGPS(Global Positioning System)は、globalという名前が示すように、地球上のほぼすべての場所で現在位置の測位が可能となるように設計されたシステムです。このため、GPS衛星は地表全体をくまなくカバーするように、地球を周回しています。

これに対し、GPSを補う準天頂衛星システムは、日本を中心としたアジア・オセアニア地域での利用に特化したシステムです。常に日本上空(日本国内の地上から見た天頂付近)に衛星を静止させることができれば理想的ですが、地球の引力と遠心力の方向が違うため、静止させることはできません。

静止衛星とは、地表から常に見えるようにするため、経度を固定したまま赤道上空に静止させたものですが、これを南北方向に振動させたものが傾斜静止軌道衛星といい、南北対称の「8の字軌道」になります。この傾斜静止軌道衛星のうち、北半球では地球から遠ざけることで速度を遅くし、南半球では地球に近づけることで速度を速くしたものが準天頂軌道の衛星となります。

このため、準天頂衛星システムの準天頂軌道は、南北非対称の「8の字軌道」になり、北半球に約13時間、南半球に約11時間留まり、日本付近に長く留まります。

準天頂衛星の軌道イメージ図

準天頂衛星システムが4機体制のとき、準天頂軌道には3機の衛星が配置されています。東京付近の地表から、この3機の衛星の動きを一日中追ってみると、南南東の地平線から衛星がほぼ等間隔で代わる代わる現れて、天頂付近でゆっくりとしたループを描いた後、南南西の地平線に向けて沈んでいくのが観察できます。
※東京付近では、地平線の下には沈まずに、地平線をかすめてまた上がってきます。

東京付近から1機の準天頂軌道の衛星を見た場合、仰角70度以上には8時間、仰角50度以上には12時間、仰角20度以上では16時間留まります。

3機が8時間ごとに順番に現れますから、少なくとも1機以上の衛星が仰角70度以上の「ほぼ」天頂付近に位置することになりますが、完全な天頂(真上)の位置にずっと留まっているわけではありません。 「準」天頂衛星システムの名称は、このことに由来しています。 4機体制の準天頂衛星システムは、準天頂軌道を周回するこれらの衛星群と、赤道上空の静止軌道に配置する1機の静止衛星から構成されます。

東京付近から観察した準天頂衛星の動きのイメージ図