コンテンツです

高精度測位補強サービス「MADOCA-PPP」

アジア・オセアニア地域でも利用可能な高精度な測位補強サービスを提供するために、国内外のGNSS監視局網の観測データに基づき測位衛星に起因する誤差を計算し、みちびきのL6信号により補正データを送信します。ユーザはL6信号対応受信機を用いることでPPP方式の高精度測位を行うことができます。

サービスのイメージ図

これまで本サービスの実証信号(*1)を送信し、すでに自動運転、情報化施工、IT農業等のさまざまな分野の実証実験で活用されています。また、本サービスの補強データはアジア・オセアニア地域で広く利用することができますので、国外や海洋分野でのさまざまな活用が期待されます。今後、2022年9月30日より試行運用(*2)開始、2024年度より本運用(*3)開始を予定しています。

*1 実証信号:本サービスを利用した事業・実験等を実証するために送信する信号
*2 試行運用:本運用に向け、実証運用から本運用の仕様に改定し、本運用と同じ品質での運用
*3 本運用:所定の開発・検証等が全て完了し、みちびきのサービスとしての運用

測位以外の用途として、大気中の水蒸気量の推定に活用することで、天気予報の精度向上に効果が期待されます。補正データに含まれる高精度な時計誤差情報は、精密な時刻同期が必要な分野での活用が期待されます。

本サービスで採用しているPPP測位方式は、高精度な測位結果を得るために20~30分程度の事前観測が必要とされています。この観測時間を短くするため、7機体制では、追加の補正データとして広域電離層データもみちびきのL6信号で送信する予定です(2024年度実証運用を開始予定)。

「海外向け高精度測位補強サービスの整備」スケジュール

【GNSS統合データ共有システム「MIRAI」について】

MADOCA-PPPの補正データの生成には、国内外のGNSS監視局網で観測されたリアルタイムデータが必要です。このリアルタイムデータはGNSS統合データ共有システム(愛称MIRAI, Multi-GNSS Integrated Real time and Archived Information system)によって収集されています。

MIRAIで収集されたデータはMADOCA-PPPの補強データ生成の目的だけでなく、国内外のGNSSに関する研究・開発に広く活用されることを想定し、国内外の機関や大学から監視局データ提供の協力を受け、インターネットを介して無償で公開されています。

一般ユーザ(登録が必要です)はMIRAIに接続された監視局のステータスをWebブラウザ上で確認できるほか、監視局のリアルタイムデータ(RTCM 3)を受信し、またアーカイブデータ(RINEX)をダウンロードすることができます。MIRAIに接続された監視局のリアルタイム/アーカイブデータは、以下のサイトにて無償公開しています。

GO! GNSS GO! JAPAN
以上

関連記事