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車両の走行状況で保険料率が変わる「テレマティクス保険」

2016年06月07日

位置情報に加え、速度、加速度などの車両からの情報を利用するアプリケーションの1つとして「テレマティクス保険」に注目が集まっています。「テレマティクス(Telematics)」とは、テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報科学)を組み合わせてつくられた造語で、「自動車などの移動体に通信システムを組み合わせ、リアルタイムに情報サービスを提供すること」と説明されており、まず自動車保険の分野で普及を始めています。

テレマティクス保険のしくみ

車両の「位置情報」を知る手段としては、衛星測位機能を備えたカーナビ、ドライブレコーダー、あるいはスマートフォンが使われます。また、急ブレーキや急発進の目安となる「加速度」についても、スマートフォンやドライブレコーダー、あるいは加速度センサを備えた専用の端末が用いられます。保険会社はそうした情報を総合して得られた、走行パターンや走行距離などの運転情報をもとにリスクの分析を行い、運転者ごとに保険料率を算定します。

テレマティクス保険のしくみ

従来の自動車保険は、年齢(若いほど料率が高い)や免許の種類(ゴールド免許が割安)など、運転者の属性や、車種、居住地域、走行距離(申告による)から料率が决められていました。「テレマティクス保険」では、走行に関わる実データをもとに分析し、さらに細かく保険料を設定します。日本に比べ保険料が割高な欧米で普及が始まっていますが、日本での普及はまだこれからで、機器構成やサービス提供形態は各社各様です。その一部を紹介します。

各社さまざまなサービス形態

やさしい運転キャッシュバック型自動車保険(ソニー損害保険株式会社)
加速度を検知する専用端末を貸与。運転のスムーズさポイント化し、保険料をキャッシュバック。データ送信は端末を郵送します。
つながる自動車保険(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)
車載のナビゲーション端末から走行距離などの情報を取得し、1km単位の走行距離に基づいた保険料算定に役立てます。
スマイリングロード(損害保険ジャパン日本興亜株式会社)
フリート契約者1年以上の自動車保険の契約台数が10台以上の契約者)向けに通信機能付きドライブレコーダーを貸与する事故防止サービスです。全車両導入で保険料を割り引きます。
YouDriveアプリ/MIRAI DRIVE PROJECT(アクサ損害保険株式会社)
OBD II(*)対応の専用端末とスマホアプリでデータ収集を行うシステムを想定し、契約者を対象にモニターを募集しています。
ミラー型テレマティクス端末TMX-DM01(パイオニア株式会社)
GNSS受信機とジャイロ/加速度センサー、携帯電話ネットワーク通信機能、ドライブレコーダー機能などを備えた業務用のテレマティクス端末。事故対応サービスや安全運転支援コンサルティングサービスが、同社と協業する東京海上日動火災保険株式会社から提供される予定です。
 

(*)「OBD II」(OBD=On-board diagnostics、自己故障診断)は、自動車に搭載されたコンピューター(ECU=Engine Control Unit)が記録している車両の情報を取り出す機能。排気ガスの量、車速、ブレーキやハンドルの状態、エンジンの回転数、燃料の残量など多岐にわたる情報を取り出す機能で、もともとは車両の故障診断のために実装された共通規格です。「OBD II」端子に専用機器を接続し、スマートフォンなどの通信機能や測位機能を備えた端末と組み合わせることで、詳細な走行状態を記録・送信できます。

テレマティクス保険は、運転者が走行に関わる情報の取得・提供を意識することから、安全運転の促進や事故削減に効果があるとされ、「安全運転するほど、保険料が下がる保険」とも言われています。位置情報を始めとする走行情報の提供がユーザーの金銭メリットに直結する、特徴的なアプリケーションと言えるでしょう。

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